各PC、NIC交換。(2025/12)

うちでは10GbE環境構築のために作業用PCであるSaoriを除いて各PCに10GbE対応のAQC107採用のNICを搭載している。ただ、AQC107は10GbE対応のチップとしては少し前の世代でそこそこの消費電力があるので、低消費電力のチップが出てきたら世代交代させようと考えていた。

10GbE対応チップの情報を集めていたところ、今年5月頃にRealtekから10GbE対応チップRTL8127が発表されたことに気がついた。RTL8127はこれまでの10GbE対応チップより格段に低消費電力(2W弱)であり、これを搭載したNICが購入可能になったら購入しようと考えていた。夏頃あたりからぼちぼちとRTL8127搭載NICが発売されはじめてきたが、よく知らないメーカーだったり国内で入手困難だったりして、中々手を出す勇気が出なかった。

今年11月になって、BUFFALOから新しく10GbE対応のNICであるLGY-PCIE-MG3が発表された。LGY-PCIE-MG3がどのチップを採用しているかは発表されていないが、消費電力が最大2.5W・PCI Express4.0対応・取扱説明書にRealtekの記載があるということから、RTL8127搭載であることがほぼ確実であると思われた。で、思い切って手を出してみることにして、11月末になりLGY-PCIE-MG3が発売開始されたので購入。

NIC2 上がAQC107搭載NICであるAREA 10Koenig Gen3 SD-PE410GL2-B。
下がTRL8127搭載NICであるLGY-PCIE-MG3。
ヒートシンクのサイズがかなり小さくなっている。

とりあえず、うちのサーバーであるKanaのNICをLGY-PCIE-MG3に置き換えてみることにした。Kanaの環境はFedora43であるが、特に手を加えることなくr8169ドライバにてRTL8127が認識され、10Gbitでのリンクも確認できた。iperf3を用いて実行速度のテストを行ってみたところ5Gbpsちょっとの速度になって、AQC107時代より遅くなった。ただ、遅くなった主な原因は分かっている。RTC8127はPCI Express4.0 x1(最大リンク速度16Gbps)対応であるけれどKanaのマザーボードであるTUF GAMING B660M-PLUS D4はCPU直結のPCI ExpressスロットのみPCI Express5.0対応で他のPCI ExpressスロットはB660チップセット経由のPCI Express3.0対応であり、LGY-PCIE-MG3を挿したスロットはまさにPCI Express3.0対応スロットであったためである。このため、RTL8127はPCI Express3.0x1でリンクされて最大でも8Gbpsの速度になるので、10GbEでの速度を出すことはできない。なお、LGY-PCIE-MG3をCPU直結のPCI Expressスロットに挿すと10GbE相当の速度が出ることを確認できているけれど、この場合は消費電力がかなり増えてしまいAQC107使用時の消費電力を上回ってしまうので、PCI Express 5.0スロットに挿すことはあきらめた。また、現時点ではLGY-PCIE-MG3をPCI Express3.0スロットに挿すとフローコントロールがOFFになる状況であるが、これの理由も不明。

KanaのLANの速度が遅くなってしまったとはいえ、主にデータの転送相手となるのがHDDなので最大でも280MB/s程度の速度であり5Gbpsあれば十分に足りるので、しばらくは、このままで行くことにした。いずれはKanaの構成を更新することになるし、その頃には間違いなくチップセット側のPCI Expressも4.0以上になっているはずなので、その頃までは我慢の予定。

Kanaに装着したLGY-PCIE-MG3の状況が速度以外には問題なさそうであったので、24時間運用しているサブPCのAiについてもNICをLGY-PCIE-MG3に換装することにした。AiはWindows11を動作させているので、BUFFALOのサイトからLGY-PCIE-MG3のドライバをダウンロードしてインストールしたのだけれど、Realtekのサイトにさらに新しいドライバが公開されていたので、そちらに更新。セットアップ完了後、無事に10Gbitでリンクしていることを確認。

今回の換装でAQC107搭載NICが2枚余ったので、そのうちの1枚はこれまで2.5GbE対応NICを挿していた作業用PCであるSaoriに移植。これで、ノートPCであるMaoを除いて全てのデスクトップPCが10GbE対応となった。現時点でメインPCであるYuiについてはAQC107のままであるけれど、Yuiについては低消費電力が最優先事項ではないので、構成更新までしばらくの間はこのままの構成で行く予定。

参考までに、NICを交換した各PCの消費電力は以下の通りとなっている。各PCとも3~4Wほど消費電力が減った。各PCとも24時間運用なので、消費電力が減るのはありがたい。

PC

AQC107での消費電力

RTL8127での消費電力

Kana

38W

34W

Ai

31W

28W

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