うちの各PCの構成更新から3年近く経過し、そろそろ構成更新をしたいと考えていた。これまでは、まずメインPCの更新を行ってからサブPC・サーバーPCの構成を更新し、浮いたパーツで作業用PCの構成更新、というパターンだったので、今回も同様のパターンで行くことにして調査を開始。
メインPCであるYuiについては、当初は全面的な構成更新(CPU・マザーボード更新)を行う予定だったので構成更新に向けて新CPU等の情報を集めていた。しばらく前にIntelの新CPUシリーズであるArrowLakeアーキテクチャの情報が出てきて、かなり思い切った変更があったので、これを採用することにしていた。しかし、ArrowLakeアーキテクチャ採用CPUのうち最初に販売開始されることになっていた倍率ロックフリーなCore Ultra 9 285K・Ultra 7 265K/KF・Ultra 5 245K/KFの情報解禁とともに各販売サイトでの予約も開始されることを失念していて、購入予定であったCore Ultra 9 285Kの予約に失敗してしまった。このため、更新計画の見直しを迫られることになった。
Core Ultra 9 285Kについては、正式な情報解禁の前に各種リーク情報があって、前世代であるCore i9 14900Kより性能が向上しているところもあるものの性能が低下しているところもあり、全体的に言うとさほどパフォーマンスアップを期待できないような評価が出ていた。Core Ultra 9 285Kは販売開始時点での販売数がかなり限られていたようで予約できない状態が続いていたのでしばらく様子見することにしていたのだけれど、評価があまり良くない気配であったので、最終的にCore Ultra 9 285Kの採用を見送ることにした。
メインPC向けにCore Ultra 9 285Kを購入しないことになったので代わりにCPUだけ更新することにし、クラッシュ問題などの影響か値段がこなれてきていたCore i9 14900Kを採用することにした。少し前に新しいマイクロコードがリリースされていてクラッシュ問題の解決が図られたので、購入しても問題なさそうと判断。サブPCについてもCPUだけ更新することにし、Core i3-14100を採用することにした。
これまでであればサブPCまたはサーバーPCのの構成更新で浮いたCPUとマザーボードを作業用PCに移植していたのだけれど、今回はサブPCで採用していたCPUであるCore i3-12100だけが浮くことになるので、作業用PCについてはマザーボードとメモリーを更新してCore i3-12100を搭載できるようにすることにした。作業用PCについてはハイスペックは必要無いので、コストパフォーマンスを重視してマザーボードはASUS PRIME B660M-A D4を採用することにした。メモリーについては、サブPCとサーバーPCで実績があるTeam TPRD416G3200HC22DC01-A(DDR4-3200 8GBx2)を採用。
ついでに、空き容量が減りつつあったメインPCのシステムドライブを2TBな製品に換装することにし、調査の結果、ソリダイム製のP44 Pro 2TBを採用することにした。そこそこのハイスペックで比較的安い価格だったのが決め手となった。
PRIME B660M-A D4とTPRD416G3200HC22DC01-AについてはAmazonで発注してみたのだが、まさか緩衝材による保護なしで紙袋に入れただけで送ってくるとは思わなかった。大きめの紙袋の中にマザーボードの箱とメモリーのパッケージがそのまま入れられていたのだ。今回は問題なく動作しているのとはいえ不安が残る梱包なので、今後はAmazonでの発注は避けた方が無難かもしれない。
各CPUとマザーボード・メモリー・SSDが揃ったので、まずは、サブPCのCPUをCore i3-12100からCore i3-14100に換装することにした。必要な作業はCPU換装のみであったけれど、ついでにケースやファン等の清掃も行った。CPU換装のみなので問題なく動作すると予想していたが、予想通り、CPU換装後でも特に問題なくWindows11が起動してくれた。
続いて、作業用PCの構成更新を行うことにし、CPU・マザーボード・メモリーの換装を行った。こちらも換装時に軽く清掃も行った。換装後は普通にWindows11が起動できたのだけれど、一部に問題があったので、改めてWindows11をインストールし直すことにした。作業用PCの環境はバックアップやパーティション操作に関する各種ツールをインストールしている以外はさほど複雑なことをしていないので、Windows11のセットアップ後の復旧作業もさほど時間がかからずに完了。
最後に、メインPCのCPUをCore i9-12100KFからCore i9-14900Kに乾燥する作業を行った。こちらも、換装中に各種清掃も行ったのでそこそこ時間がかかった。サブPCのCPU換装後には何も問題が起きなかったのでメインPCのCPU換装後も問題が起きないと予想していたのだけれど、予想は大きく外れ、Windows11が起動できない状況に陥ってしまった。Windows11起動中にBSOD(INACCESSIBLE BOOT DEVICE)になり正しく起動できないようになってしまったのである。調査の結果、Intel VMD関連で何か起きている気配であったのでUEFIセットアップにてVMDを無効化してみたのだけれど、BSODが発生する状況は変わらなかった。CPUをCore i9-12100KFに戻すと正常にWindows11が起動できたので、どうやらVMD関連の仕様がCore i9-12100KFとCore i9-14900Kで異なるらしい。仕方なく、Windows11を再セットアップすることにした。
一旦CPUをCore i9-12100KFに戻した状態でシステムドライブのバックアップを取って、CPUをCore i9-14900Kに換装。P44 Pro 2TBを購入していたのでこちらにWindows11の環境を構築することにし、CPU側のM.2スロットに装着。旧環境が入っているWD Black SN850についてはPCH側のM.2スロットに装着。この状態でWindows11の再セットアップを開始した。再セットアップ自体は順調に進行していったのだが、やはり、ブート中にBSODが発生してしまうことが判明。セットアップ中にVMDのドライバを追加する必要があるのだけれど、間違ったドライバを追加してしまったのかと思って確認してみたところ問題ないことを確認できた。UEFIセットアップにてVMD無効にしてセットアップをやり直してみたけれどブート中にBSODが発生する状況は変わらなかった。この時点でお手上げに近い状況であり、最悪の場合はCPU換装を諦めるしかないと思い始めたのだけれど、ふと、UEFIセットアップで確認できる起動デバイス一覧にP44 Proが表示されていないことに気がついた。この時点では旧環境を参照するためにWD Black SN850を装着していたのだけれど、こちらは起動デバイスとして見えていた。もしかしてと思い、WD Black SN850を取り外してからUEFIセットアップでVMDを有効にしてWindows11のセットアップを開始してみたところ、セットアップ中にBSODが発生することなく問題なく最後までセットアップを完了することができた。どうやら、WD Black SN850側の環境がブート可能な環境であったためにWindows11のセットアッププログラムによる起動環境構築の際に混乱してしまいP44 Pro側に起動環境を作れなくなったことがBSODの原因となったのではないかと思う。
まさか、メインPCのCPU換装だけでこんなに苦戦するとは予想していなかったけれど、何とかメインPCにもWindows11環境を構築できたので、最低限の環境構築から始めて、順次、アプリ類のセットアップやデータのレストアも行った。
ちなみに、今回の構成更新の目的としては各PCのスペックアップ以外に実家PCの構成更新のためのパーツ捻出という意味もある。実家PCのCPUは第7世代Intel CoreプロセッサーであるCore i7-7700Kで、Windows11の動作要件を満たしていないためWindows10環境のままとなっている。来年(2025年10月)にWindows10のサポートが切れるので、今回の構成更新で浮いたCore i5-9600K・TUF Z390M-PRO GAMINGを移植してWindows11の動作要件を満たすようにする予定。
続きは評価編にて…