サーバーPC、ケース換装。(2025/05)

うちのサーバーPCであるKanaについては2017年にケースをDefine Miniに換装して使用してきた。このDefine Miniというケースについては十分に満足していたけれど、MicroATX対応のケースとしては比較的大柄であったこともあり、しばらく前からより小さいケースに換装したいと考えるようになっていた。

KanaはサーバーであるためケースにはHDDを複数台搭載できる必要がある。Define MiniはMicroATX対応のケースとしては多めの6台のHDDを標準で搭載できるケースである。しばらく前からKanaのHDDは4台体制になったとはいえ、小型のMicroATX対応ケースでこの台数を搭載できる製品を見かけることはほとんどなかった。

最近になってケースの情報収集を行っていた際にJONSBO N4というケースが目に留まった。このケースはMicroATX対応のNAS向けケースで、幅約29cm×奥行き約30cm×高さ約23cmというサイズの中に3.5インチドライブベイが6台分と2.5インチドライブベイが2台分確保されていて、この構成であればKanaの用途に十分に適合するので使用してみたくなった。JONSBO N4は国内で取り扱っている店舗はほとんどなく、あっても国外発送で入手するまでに時間がかかりそうだったけれど、AliExpressでは取扱いがあり、国内での価格(2万5千円前後)より大幅に安価(1万5千円前後)であった。AliExpressは中国企業であるアリババグループによって運用されている通販サイトで、以前に使用した際には不良品が届いたことがあったので利用するには勇気が必要だったけれど、今回は思い切って利用してみることにした。JONSBO N4はCPUクーラーの高さが70mmまでに制限されていてこれまで使ってきた白虎弐が使用できないため、新たなCPUクーラーとして高さが45mmのID COOLING IS-40X V3を確保。

JONSBO N4をAliExpressで4/30に発注した際には到着予定が5/17とされていたが、実際には5/10に自宅に到着。国内では佐川急便が配送を担当しているようで、佐川急便で届けられた。JONSBO N4は外箱がラップでぐるぐる巻きにされた状態で到着し、特に破損や衝撃を受けた気配もなく無事に届いて一安心であった。

Kanaに搭載していた電源はATX規格のFractal Design ION+ 560Pであったが、JONSBO N4はSFX電源のみ対応のため、一旦、サブPCであるAiに搭載していたSFX-L規格電源であるFractal Design ION SFX 500Gと入れ替えることにした。Define Miniから各パーツを取り外して清掃し、JONSBO N4に搭載。SerialATAケーブルの取り回しに少し苦戦したけれど、何とか、各パーツを搭載完了し、Kanaが問題なく起動することを確認。

pc_kana_front 前面。
上半分は木製パネルで、下半分はメッシュ付きの吸気口。
pc_kana_rear_1 背面その1。
拡張スロットはロープロファイルのみ対応のため、NICのブラケットをロープロファイル対応のブラケットに交換。
pc_kana_front_inside 前面内側。
左側にホットスワップ対応の3.5インチベイが4台分、右側に通常の3.5インチベイが2台分と2.5インチドライブベイが2台分。
右側にはドライブを搭載しないためぽっかりと空間が空いていたので、HDD冷却のためにほとんどを塞いだ。
pc_kana_rear_2 背面その2。
SFX電源上側のパンチホール部分から吸気していることが分かったので半分以上を塞いだ。
pc_kana_top_inside ケース上側のマザーボード格納部分。サイズ的にはかなりギリギリか。
ケース背面には12cmファンが搭載されているが、マザーボード側には吸気・排気ファンは無し。

上記の状態で運用を開始したところ特に大きな問題はなく動作していたものの、HDD温度が以前より上がっていることが分かった。Define Mini比で+5度ほど上がっていて、このまま行くと夏場には常時40度以上になりそうであった。この温度でも一応は各HDDの動作保証温度の枠に入っているとはいえ、心配になってきたのでHDDの冷却を強化できないか試してみることにした。左側ベイの一番上に入れていたHDDの温度が最も高かったので、左側ベイから右側ベイにHDDを移動してHDDの間隔を広げることにした。当初は左側ベイに2台のHDDを搭載して右側ベイにも2台のHDDを搭載しようとしたのだけれど、右側ベイの下側のベイにHDDを搭載しようとするとSFX電源背面のコネクタ部分に干渉することが分かったので、最終的に、左側ベイは最上段を空けて下3段にHDDを搭載、右側ベイは最上段のみ使用することにした。

pc_kana_front_inside_2 左側の最上段は空けておいて空気が流れやすくなるようにした。
右側は最上段を除いて塞いである。
電源ボタン部分の光が眩しかったのでカーフィルムにて減光。

また、Kanaの電源は仮にION SFX 500Gを搭載していたけれど、一時的にAiに移植していたION+ 560Pの低出力時の効率が悪そうであったことと、ION SFX 500Gはセミファンレス動作のため普段はファンが停止していて、電源のファンが常時回転するタイプと入れ替えてJONSBO N4の換気性能を向上させたくなったので、別途、ファンレス動作を行わないSilverStone SX500-LGを購入してKanaに搭載することにした。この変更の結果、Define Mini比で各HDD温度は+2度あたりにまで低下。このあたりだと何とか許容できそうである。また、ION SFX 500Gは改めてAiに搭載し直して、ION+ 560Pの方は予備電源として保管しておくことにした。

一通り作業が終わり、KanaやAiの動作についても問題ないことが分かったので、一旦、それぞれについて消費電力を計測してみることにした。Kanaについては平均で約38W、Aiについては平均で約29Wというところである。ちなみに、AiにION+ 560Pを搭載していた状態では平均で30Wを超えていた。

上にも少し書いたけれど、このJONSBO N4を採用するに当たって気になっていた点の一つが、マザーボード格納エリアに吸気・排気ファンが付かない、という点であった。ファンによる空気の流れを作れないので、CPUやSSD・マザーボード等の温度が上がりそうで心配になっていたのである。実際に運用を開始してみたところでは、CPUやマザーボードの温度については特に変化無しで、SSDについてはむしろ以前より温度が少し下がった。KanaのCPUが低消費電力であるCore i3-12100Tであることが影響しているのか、CPUやマザーボードの温度が変化しなかったのは少し意外であった。SSD温度が下がったのは、サイドフローのCPUクーラーである白虎弐からトップフローのIS-40Xに変更したことで、CPU周囲に空気の流れができてSSDのヒートシンクに気流が当たるようになったことが影響しているのではないかと予想している。

あと、JONSBO N4の電源ボタンは電源インジケーターを兼ねていて真っ暗の室内だと明るすぎるので、これまでのようにカーフィルムを使って減光してみた。また、ドライブアクセスLEDも電源ボタン部分を赤色に光らせるようになっているが、電源LEDの輝度に負けてしまっていてほとんど目立たない。もう一つ、ホットスワップ対応の左側ベイの奥には各ベイの電源LEDとアクセスLEDがあるが、これはさほど眩しくはないけれど少し目立つ。(上の写真でドライブベイ側の緑色が各ベイの電源LEDである)

今回のケース換装で、Kanaのサイズが劇的に小さくなった。ケースサイズ的には幅約21cm×高さ約40cm×奥行き約49cmから幅約29cm×高さ約23cm×奥行き約30cmになった。幅はが増えている以外はかなり小さくなっていてスペースを取らなくなったので良い感じである。思い切ってケース換装をして良かったと思う。

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