以前、車載動画を撮影するためにカメラスタンドを自作して改良したりしていたのだが、カメラ車載に関して情報収集をしてみると、RAMマウントという製品がよく使われていることが分かった。自作のスタンドでは限界がありそうな感じだったので、思い切って、RAMマウントに手を出してみることにした。
RAMマウントは、ベースパーツ・アームパーツ・ジョイントパーツ・ホルダーパーツ・アクセサリー等を自由に組み合わせて目的に合ったマウントを作成できる製品群である。今回は、FireStormに確実にカメラを搭載できるようにするため、以下のパーツを選択。
- ステムベース
- 3インチダブルソケットアーム
- プレート付きカメラホルダー
カメラホルダーについては、プレート付きにするかプレート無しにするか迷ったのだけれど、より確実に自由雲台を固定出来そうなプレート付きのカメラホルダーを選択。
各パーツが到着後の次の週末に時間が取れたので、装着作業を実行。FireStormのステアリングステム内径は一般的なバイクよりは大きめらしくステムベース取付は面倒らしいとの情報があったが、何とかなるだろうと思って作業開始。実際に作業してみると、ステムベース付属のラバープラグの最も太い部分より微妙にステアリングステム内径が太く、まともに固定出来ないことが判明。とりあえず、ラバープラグを実際の内径よりよりやや細めのところでカットし、1mm厚のゴム板を巻いて固定してみた。これで、何とかステムベースは固定できたのだけれど、しっかりとは固定出来ずグラグラしてしまう状態であった。
そこで、しっかり固定するために、一工夫してみることにした。ステアリングステム内径はノギスで計測してみたところ19mm強というところだったので、5mm厚のゴム板を外径19mm程度の円盤状にカットし、センター部分に6mmドリルで穴を開けてボルトを通せるようにしたラバーリングを合計5個作成。5個作成した理由は、デフォルトのラバープラグは長さ1インチ(約2.54mm)でカットする指定があり、それに近い長さにするためである。
で、ラバープラグの代わりにこのラバーリングをステムベースに取り付けてみた。元はこんな感じだったのだが、
ラバーリング5個と入れ替えてこんな感じになった。ラバーリング径が揃っていなくて見た目は悪いが、どうせ隠れて見えない部分なので気にしない。
ラバーリングの外形がステアリングステム内径とほとんど同じになってしまったので、ステムベースをステアリングステムに押し込むのに苦労してしまったが、その分、ステムベースをかなりしっかりと固定できるようになった。
ステムベース裏側には補強リブが付いていて、これがステアリングステムと干渉してしまうので、ステムベースとステアリングステムの間に隙間ができてしまうのが気になった。このため、この隙間を塞ぐためにさらに工夫してみた。ステアリングステム外径とステムベース外径をざっと計測してみたところ、
- ステムベースのリブ部分の直径は約26mm
- ステムベース自体の外径は約34mm
- ステアリングステム外径は約23mm
- ステムナットの外径の最小値は約30mm
- ステムベースとステアリングステムの間の隙間は約4.5mm
という感じだったので、隙間を塞ぐパッキングとして、5mm厚のゴム板で外径34mm内径31mm(写真左側)・外径33mm内径25mm(写真右側)を試作し、ちょうどいい方を採用することにした。
その結果、外径33mm内径25mmの方がいい感じにフィットしてくれたので、こちらを採用。
一旦、この状態でカメラを車載して動画撮影してみたのだが、エンジン回転数がある程度上がると振動がまともにカメラに伝わってしまい、ぶれまくった動画になってしまうことが分かったので、振動対策を行うことにした。手持ちの金具類を組み合わせてカメラホルダに固定し、カメラホルダと自由雲台の間に5mm厚のゴム板を経由させることで振動を軽減するようにしてみた。ちなみに、各金具やゴム板を固定するボルトにはナイロンナットを組み合わせて緩まないようにしてみた。
これでエンジンからの振動はほぼカットできるようになった。路面の凹凸による振動については完全には回避できないが、こればかりは仕方ない。この状態で何度かテスト撮影してみて、いい感じになったのは確認できたのだけれど、何かまずいことをやってしまったようで、今度はカメラ(DMC-TZ7)が故障してしまった気配。まだ保証期間内なので、DMC-TZ7はとりあえず修理行き。修理から帰ってきたら、また撮影してみようか。
参考までに言うと、FireStormのステアリングステムは、少なくともうちのFireStormについては完全に中空で上から下まで貫通しているので、ステアリングステムより長いボルトを使って固定する方法があるかもしれない。ただ、うちの場合はステアリングステム下側は社外ホーン取付のために塞がれているため、長いボルトを使った方法は使えない。また、それだけ長いボルトを確保するのも難しそうなので、今回のようなラバープラグ・ラバーリングでの固定の方が合っているように思える。