MovableTypeからWordPressに移行。(2023/12)

このブログは設置当初からMovableTypeを使用していて、MovableType 8がリリースされたのでこれまでと同じようにアップデートを行ったのだが、アップデート後に記事を投稿しようとしたところエラーになったので調査を行ってみた。

調査の結果はかなりよろしくない状況であった。MovableType 8になってXMLRPC APIが廃止されたことで、XMLRPC APIを利用して記事管理を行っているWindows Live Writerでの投稿が不可能になってしまったのだ。MovableType 8ではMTブロックエディタが同梱されていて、これで記事の作成が行えるようにはなっていたが、MTブロックエディタで作成した記事についてはブログのホームにおける記事の概要のレイアウトが大きく崩れる(無駄な改行がやたらと入る)状況であり、使い物にならない感じであった。崩れる原因を調査することも考えたけれど、Windows Live Writerでの記事作成・投稿ができなくなる不便さもあって、以前から検討していたWordPressへの移行を試してみることにした。

MovableTypeからWordPressへ移行するに当たって、過去記事をMovableTypeからWordPressに移行できないか調査してみたところ、WordPressにMovableTypeの記事のインポーターが用意されていることが分かった。さほど複雑な手順を要することもなく記事のインポートが行えるようであったので、正式に移行作業を開始。

まずはWordPressで使用するデータベースの設定を行い、WordPressのインストールを実行。サーバーであるKanaのOSはFedoraであり標準でWordPressをパッケージからインストール可能であったのでインストールしてみたのだけれど、インストールされたWordPressは英語版で、言語設定でも日本語化できそうな感じはなかった。このため、一旦WordPressのパッケージ一式をアンインストールし、あらためてWordPress日本語版をインストール。WordPressの管理ページが動作していて各種設定が行えることを確認した後、MovableTypeの記事をインポートすることにした。

MovableTypeからWordPressへの記事の移行を行うためにはMovableTypeでエクスポートを行いWordPressでインポートを行うことになるのだけれど、MovableTypeでエクスポートしたファイルをWordPressでインポートしようとしたら何もエラーになっていないにも関わらず全く記事がインポートされない状況になった。WordPressがMovableType 8でエクスポートしたファイルに対応できていない可能性を疑って、一時的にMovableTypeを以前のバージョン(MovableType7)に戻した上でエクスポートを行い、生成されたファイルを用いてWordPress側でインポートしようとしても結果は同じであった。WordPressをデバッグモードに設定してログ等を確認してみたけれど、何もエラーは記録されていなかった。

この時点では記事のインポートに失敗する理由が全く分からなかったのでWordPressのフォーラムで質問してみようかと考えたのだけれど、改めてMovableTypeでのエクスポート手順を確認してみたところ、勘違いを発見してしまった。これまで、MovableTypeで「ダッシュボード→サイトの管理ページ→ツール→サイトのエクスポート」というように辿ってサイトのエクスポートを実行してXMLファイルを取得し、そのXMLファイルをWordPressでインポートさせようとしていたのだけれど、このエクスポート手順が間違っていた。実際には、記事のエクスポートとして、「ダッシュボード→サイト選択→ブログ選択→記事→エクスポート」という手順で記事のエクスポートを行いテキストファイルを取得し、このテキストファイルを用いてWordPress側でインポートを行う必要があったのだ。この手順を行ったことで問題なくMovableTypeでの記事をWordPressに正しくインポートすることができた。

WordPressに記事を移行できたのでMovableTypeをどうしようかと考えたのだけれど、MovableTypeはCGIやHTMLをそのまま残すことにした。記事を移行できたとはいえ、過去記事には別記事に対して絶対URLでリンクを設定している箇所がいくつもあって、これを全てWordPress側での絶対URLに行えるのはかなりの手間がかかりそうなためである。MovableType側をそのまま残しておけば絶対URLでのリンクも普通に辿れるので問題は発生しない。WordPressとMovableTypeを共存させていてもディスクの専有量はさほどでもないので、特に問題が発生しない限りはそのままで行く予定。

WordPressについてはまだまだ分からないことが多いのでカスタマイズ等は順次行う予定。デザインが急に変わることもあり得る。

ちなみに、ブログ等のCMSのシェアについてはMovableTypeのシェアが高いままだと思っていたのだけれど、最近ではWordPressのシェアが圧倒的に高いようだ。MovableTypeはシェアランキング10位以内どころか上位ランクにはほど遠く1%にも満たないらしい。この状況にはぜんぜん気がついていなかったので、もっと早く移行しておくべきだったかもしれない。

もう一つ余談。MovableTypeは記事生成を静的に行う(記事再構成でHTMLファイルを出力)ようにして使用していて記事再構成時以外にはサーバー負荷はさほどない状況であったけれど、WordPressは記事を参照時に動的にを生成するのでサーバー負荷はWordPressの方が高いのではないかと思う。ただ、頻繁に記事参照が行われることがなければさほど負荷は気にしなくても良いかもしれない。しばらく、様子見。

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