うちのFireStormにはOHLINS製リアショックユニットを装着しているのだが、先日、プリロード調整を行おうとした際に妙に遊び領域が多すぎた事が気になっていて、いずれはオーバーホールに出してプリロードアジャスタも検査してもらうつもりであった。たまたま余裕があったので、オーバーホールを検討することにした。
FireStorm購入元のレッドバロンの工場で相談してみた結果、オーバーホール自体の料金は基本工賃+最低限の部品交換で3万円あたり、それにリアショックユニット脱着工賃が追加されるので、総額としては4万円程度で行ってもらえそうということであった。OHLINSの取り扱い元であるラボカロッツェリアでの料金提示よりは少し高い感じがしたが、さすがに、リアショックユニット脱着作業等を含め、自力でオーバーホールを依頼するだけのスキルは持ち合わせていないので、そのままFireStormを預けて作業を依頼。ついでに、リアサス関連のリンクの状態のチェックと、弱り気味だったバッテリーの充電作業も依頼。
作業依頼を行った次の週に、オーバーホール作業を依頼した業者(プロジェクトサイエンス)からの見積もりが届いたとの連絡があった。そのときにはオーバーホール作業自体の料金が7万円を超えるとの連絡で、当初の情報と比較すると倍以上の金額となっていたこともあり、改めてレッドバロンを訪問して見積書を見せてもらった。確かに見積書ではオーバーホール作業料金が7万円以上となっていて、それにリアショックユニット脱着作業工賃が追加されて8万円オーバーコースになっていた。その上、この見積もり金額は作業前にリアショックユニットの外観チェックを行った時点でのものであって、実際に作業を行ってみて、場合によっては追加で部品交換や作業が必要になる(つまり、さらに金額が加算される)可能性もあるとのこと…。この時点で、オーバーホールを依頼したことを後悔し始めていた。しかし、思い切って、そのまま作業を進めてもらうことを選択。
作業着手を依頼してから、どれだけの金額を請求されるのかと思って、しばらくは不安な日々を過ごすことになった。OHLINSリアショックユニットを装着した際にかかった費用は、本体価格が9万円強、作業工賃込みで10万円強というところであったのだが、もしかすると、装着時点での本体価格を超えてしまうのではないかと不安になっていたのだ。現時点では、価格改定があって、本体価格は12万円強というところで、さすがにそこまでの金額にはならないとは予想していた。でも、オーバーホールの総費用が元の購入費用を超えてしまうとすると、何のためのオーバーホールなのか分からなくなる。そんな金額になるなら、もう少し頑張って新品に交換した方がマシというものである。
作業依頼を行ってから約3週間、リアショックユニットのオーバーホールが完了したとの連絡があった。作業工賃を確認してみたところ、6万円弱とのことであった。この連絡があるまでは10万円弱コースを予想していたので、ちょっと拍子抜け。まぁ、予想よりかなり料金が抑えられたので良しとする。ちなみに、今回のオーバーホールで行われた作業は以下の通り。
作業内容 | 作業料金 |
オーバーホール基本作業 | 15,000? |
スプリング脱着 | 500? |
Oリング交換 | 200~800? |
ガイドブッシュ交換 | 800~2,600? |
バンプラバー交換 | 2,600~3,900? |
ロッド研磨 | 1,000? |
プリロードアジャスタホース保護チューブ装着 | ? |
油圧プリロードアジャスタオーバーホール | 9,800? |
合計 | 約45,000 |
この表で、各作業料金が「?」付きになっている理由は、具体的な金額が不明なためである。オーバーホール作業終了後にプロジェクトサイエンスから提供された作業内容の明細書をもらったのだけれど、明細書の元本はもらえず、何故か、料金部分を隠したコピーを渡された。どうやら、表に出ている料金体系と何か違うらしい。ちなみに、前に見せてもらった見積書は渡してもらえなかった。疑問を持たざるを得ない対応ではあるけれど、今回は仕方ない。
今回のオーバーホールでの最大の目的であるプリロードアジャスタの正常化については、何とか無事に達成できたらしい。以前なら15回転ほど回さないと手応えがなく、最大(26回転)でも少ししか動いてくれなかったプリロードについては、かなりまともに作動するようになった気配。プリロードアジャスタ2回転ほどで手応えが出るようになり、それから26回転まで回すと以前より大幅にプリロードがかかるようになった。また、以前にはなかった油圧ホースの保護チューブ装着も確認。
今回のオーバーホールでは作業時間がかかることが予想できたので、その間の足の確保のため代車を提供してもらっていた。今回の代車はスズキSV400前期型であった。ネイキッドタイプということもあり、FireStormよりかなり起き気味なライディングポジションやサイドスタンドの出し方の違いなど、かなり戸惑った。ピンスライドキャリパーなためか、フロンドディスクブレーキの操作感覚もイマイチ。一方、リアブレーキは良く効いていた感じがする。一部カスタムが入っていてミラーも交換されていたのだが、後方の視界が悪くかなり不安であった。エンジンの特性は、400ccの2気筒という割りには意外にトルクフルであったしパワーも必要十分ではあったが、さすがにリッタークラスなFireStormと比較するのは無理があるかとは思う。サスペンションについても頼りない感じであったが、それなりにカスタマイズしてあるうちのFireStormと比較するのは可哀想かも。このSV400は日常の足としては十分に使い物になりそうだったけれど、やはり、物足りなかった。もう、このクラスには戻れないなぁ、と感じた。