うちのメインマシンであるYuiに搭載していた電源はSeasonic製のSS-600HMという製品で、使用開始から2年3ヶ月ほど経つ。まだまだ製品寿命的には問題なく、特にトラブルには遭遇していなかったのだが、そろそろ、設計が新しい高効率な製品を使ってみたくなった。また、ダウンローダとして運用しているAiについても、未だにばっちり安定稼働という状況にはなく、たまにリブートしたり勝手にシャットダウンしてしまったりしていた。この問題の解決のため、電源を交換して様子を見てみることにした。
Yuiに搭載する電源については、運用上のピーク消費電力が300W前後であったことから、少し余裕を見て600Wクラスの電源から選択することにした。調査の結果、Seasonic製のSS-650KMを選択。この電源に決めた理由は、80PLUS GOLD認証を通るほどの効率の高さと、低負荷時にはファンを回さないように制御されるなど、静音性を重視した設計に惹かれたためである。600Wクラスの電源としてはかなりのハイエンドに属する製品で、かつ、もうしばらくすると新製品が発表される可能性もあり少々迷ったものの、最終的にはSofmapの週末特価表示にも背中を押され、購入。
早速、Yuiの電源をこれまでのSS-600HMからSS-650KMに換装し、ワットチェッカーで電源換装前後の消費電力を比較してみた。
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アイドル時 |
CPUフルロード時(OCCT) |
3Dグラフィックベンチマーク時 |
SS-600HM |
138W |
232W |
282W |
SS-650KM |
120W |
210W |
261W |
SS-600HMも80PLUS STANDARD認証を通っている電源であり決して効率が低い製品ではないのだが、さすがに80PLUS GOLD認証を通っているSS-650KMと比較すると効率の差はあるらしい。ここまで差が出るとは思わなかった。
ちなみに、SS-650KMのファン制御は低負荷時には停止し、ある程度の負荷までは低速回転、高負荷になると回転が上がるというように3段階になっている。上記のテスト中もほとんどファンは止まったままで、CPUフルロード時にようやく回り出すといった具合であった。電源の温度は、ファン停止時・回転時を含めて、ほんのり暖かい程度をキープしていた。さすが高効率電源だけあって発熱量もかなり少ないらしい。
ダウンローダAiの電源については、運用上のピーク消費電力が100W弱なので低出力な電源で十分であるのだが、24時間運用のため、効率と静音性を重視する条件で調査。最終的に、一度購入を考えたこともある玄人志向扱いのKRPW-J400W(実体はEnhance ENP-5140GH)を選択。出力は400Wで、これまで使っていたEES350AWT(350W)より少し出力が高くなるのと、ファン回転数が最低で973rpmということで、低負荷時にはかなりゆるゆるとファンが回っていたEES350AWTより騒音レベルが上がってしまう可能性について心配はあったのだが、このKRPW-J400Wの世間一般の評価は悪くないので、購入を決断。
こちらも、電源換装前後で消費電力を比較してみたのだが、ほぼ誤差範囲内で結果はほとんど変わらなかった。アイドル時に42W程度、OCCTによるCPUフルロード時に93W程度である。騒音レベルについては、もしかしたら上がっているのかもしれないがほとんど気にならない。ただ、Aiの他のファンやエアコン等の他の騒音源にかき消されているだけなのかもしれない。
残念ながら、この電源換装でもAiの不安定要素は解消されなかったらしい。改めて調査してみると、「Kernel Power 41病」としてあちこちで発生している症状らしい。AiのシステムログにもしっかりとKernel Power ID:41のエラーが何度か記録されてしまっている。この症状で困っている人はそれなりにいるらしい。何とか解決したいところだが・・・。