うちで作業用PCとして稼働しているYukoについて温度監視を行ってみたところ、これまでは特に意識していなかったのだけれど、CPU温度とシステム温度の値が高めになってしまっていることに気がついた。Yukoのケースは窒息ケースとされているAntec製のNSK1380で、換気性能向上のためにスロットファンを付けたり前面パネルの一部を取り外して開口面積を稼いだりしていたのだが、やはり、限界があるらしい。で、ケースを換装して根本的な解決を目指すことにし、情報収集を開始。
Yukoはラック内の狭い箇所に設置している関係で、使用するケースはなるべくコンパクトである必要がある。このコンパクトさを重視して情報収集を行った結果、SilverStone SST-SG03B-F(以下SG03B-F)というケースが目にとまった。NSK1380のようなキューブタイプのケースではなくマイクロタワータイプであったが、高さ・幅・奥行きとも短めで、横倒しで設置すれば今までと同じ場所に設置できることを確認でき、また、前面に12cm吸気ファンを2個装備しているために、基本的に換気は電源の12cm排気ファン1個に頼っているNSK1380より換気性能を向上できそうであった。SG03B-Fには電源は付属していなかったが、たまたま予備扱いのEES350AWTが手元にあったのでこれを搭載することにし、購入を決断。
通販で発注したところ、比較的すぐに到着したので、今までNSK1380に搭載していた各パーツをSG03B-Fに移植する作業を実行。すべて同じ構成のままにしても良かったのだが、今までYukoで使っていたCPUクーラーであるMeOrbの冷却能力に不安があったので、手持ちの手裏剣へと換装。また、標準装備の前面ファンをGentleTyphoonの12cm800rpmタイプに換装。なお、HDDは今回のケース換装の少し前にWD10EADS-00L5B1に換装済み。換装作業完了後、温度計測を行ってみた。
CPU |
システム |
HDD |
|
NSK1380 |
45℃ |
48℃ |
38℃ |
SST-FG03B-F |
38℃ |
35℃ |
35℃ |
いずれの温度も低下していていい感じ。換装したのは正解だったようだ。
・・・これで作業が落ち着けば良かったのだが、ケース換装後、しばらくしてからCPUを換装したくなってきた。元のCPUが比較的ローエンドなPentium DualCore E6300であったのだが、ケースの換気性能が良くなったのでもう少し上のランクのCPUを搭載できそうな気がしたことが理由ではある。とりあえず、このE6300と手元で使わなくなったパーツ類をいくつか売却し、その代金+αで中古のCore2Duo E8500 E0ステッピング品と、冷却性能向上のため大手裏剣も購入し、搭載作業を開始。
今回もかなり衝動的な換装だったので、何とかなるだろうという程度で甘く考えていたのだが、実際に作業を開始したところ、SG03B-FとマザーボードP5QPL-VM EPU、大手裏剣の組み合わせだと大手裏剣が微妙にSG03B-Fの5インチベイ終端部に干渉してしまうことが判明。幸運なことに、搭載不能というレベルではなく、大手裏剣が5インチベイ終端部に接触する程度で済んだ。干渉することに気づいた際には少し焦ったが、何とかなって良かった。
CPUが変わったので、似たような条件でYukoの消費電力がどのように変わったのか調べてみた。
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アイドル |
CPUフルロード |
E6300 |
42W |
79W |
E8500 |
44W |
89W |
全体的に消費電力が上がっているのは予想通り。アイドル時にも上がっているのは、最低周波数の違いとFSB周波数の違いが効いているのかもしれない。
ちなみに、今回のケース換装は、当初はダウンローダAiのケースをNSK3400からSG03B-Fに換装し、浮いたNSK3400をYukoのNSK1380と入れ替えることを検討していた。AiにはCPUクーラーとしてKABUTOを搭載しているのだが、マザーボード横に電源ユニットが搭載されるSG03B-FにはKABUTOを搭載するのに十分な空間が確保できない。このため、Yukoのケースの入れ替えで完結することになった。