小松基地航空祭での撮影でα77Ⅱについて性能的な限界を感じたため、そろそろ次のカメラへと更新したいと考え出してしばらく経過した頃、EマウントのAPS-Cセンサ搭載新型カメラについての情報がぼちぼち出始めてきた。最終的に、新機種α6600の情報が公開され、ソニーストア店頭で実際に触ってみた感じが良かったため、思い切って手を出すことにした。
α6600は、ボディのみとズームレンズキットの形での発売が決まって、発売日も今年11月1日に確定した。同時に、標準ズームレンズSEL1655Gと、望遠ズームレンズSEL70350Gも発表され、こちらのレンズの方は発売日が10月25日と発表された。α6600ズームレンズキットでの付属レンズはSEL18135で、スペック的にはいわゆる便利ズームのようであったので、今回はズームレンズキットを選択せず、α6600ボディとSEL1655G、あとはマウントコンバータLA-EA3と液晶保護フィルムを購入することにした。α6600の予約開始よりは数日経過していたが、無事に当日到着予定で発注することができた。
発注後、しばらくしてから、SEL1655GとSEL70350Gの発売日が前倒しになり10月11日になることが発表され、先にSEL1655Gの方が発売日に到着。動作確認したくてもボディが到着するまで無理なので、しばらく待つことにした。
当初は、手持ちのSAL70300GをLA-EA3経由で使用し、あとからSEL70350Gを購入して置き換えること考えていたのだが、SEL70350Gの方が品薄傾向になっていて、あちこちの通販サイトで品切れが目立つようになり、心配になってきた。たまたま、ソニーストアで在庫あり表示になっていたので、SEL70350Gも発注することにした。
α6600ボディは無事に11月1日に到着し、バッテリーを充電してから動作確認を行った。SEL1655G・SEL70350Gは問題なく動作したので、手持ちのAマウントレンズについてもLA-EA3経由で動作確認を行ってみた。
レンズ | 結果 | 備考 |
MINOLTA AF REFLEX 500mm F8 |
× |
レンズにAF駆動モーター無し |
SAL50F14(50mm F1.4) |
× |
レンズにAF駆動モーター無し |
SAL70300G(70-300mm F4.5-5.6 G SSM) |
○ |
|
SAL30M28(DT 30mm F2.8 Macro SAM) |
○ |
|
SAL35F28(DT 35mm F1.8 SAM) |
○ |
|
TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E) |
× |
レンズにAF駆動モーター無し |
SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM |
○ |
|
SIGMA APO 150-500mm F5-6.3 DG OS HSM |
△ |
AF時フォーカスが合いにくい |
SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO HSM | Contemporary |
× |
AF時フォーカスが全く合わない |
レンズ内にAF駆動モーターを備えない各レンズについては、LA-EA3にもα6600にもAF駆動モーターはないのでAF不可になる。MFだと動作するはずだが、使い勝手が悪いので、使用をあきらめることにした。SIGMA 18-300についてはレンズ内にAF駆動モーターを備えているので動作することを期待していたのだけれど、何故かAFが正常動作しなかった(フォーカスが全く合わない)のと、使用頻度自体もかなり低かったこともあり、使用をあきらめることにした。SIGMA APO 150-500mmについては、屋内等の暗い環境だとAFが合いにくいが、屋外だと何とかAFが使用可能だったので、とりあえずキープしておくことにした。
α6600は、標準ではバッテリーの充電をMicroUSB経由で本体で行うようになっているが、充電速度が遅いので、別途、充電器BC-QZ1も購入。念のため、予備バッテリーNP-FZ100も追加した。
α6600とSEL1655G・SEL70350Gの組み合わせで撮影テストを行ってみたところ、結果は以下のような感じ。
上の写真のうち、焦点距離が16-55mmの範囲のものはSEL1655Gでの撮影。それ以外はSEL70350Gで撮影した。
鳥さんの写真は曇天日中の屋内というやや悪条件での撮影だったので、シャッター速度を稼ぐためにISO感度を上げている。
SEL1655Gは評判がいいレンズであることは知っていたけれど、ここまで解像感が素晴らしいとは思わなかった。SEL1655Gはα77Ⅱで使用していたSAL1650と同じくF2.8通しのレンズなのだが、解像感で言うとSAL1650よりかなり上を行く感じである。絞り開放でも、周辺部分もほとんど流れることなく解像度を維持できている。SEL70350Gについても、絞り開放だと解像感がやや甘くなる傾向があったSAL70300Gと比較すると、絞り開放でも解像感がある。こちらも、良いレンズだと思う。
ISO感度についても、α77Ⅱと比較すると、大幅とまでは行かないものの、高感度でのノイズが抑制されている感じがする。α77Ⅱでは常用感度はISO800あたりまでに抑えていたのだが、α6600ではISO1600あたりまでは常用できそう。それ以上の感度についても、ISO6400あたりまでは使ってもいい感じがするが、それ以上だとさすがにノイズが気になってくるので、緊急用と割り切ることにする。
α6600のAFについては、さすがにα77Ⅱよりかなり進化していて、ファストハイブリッドAF(位相差+コントラストAF)によりAF性能はかなり上がっている感じがする。上の鳥さん飛行中の撮影は上手くいった方だと思う。連写性能はα6600が最速で秒間11.5枚でα77Ⅱが最速12枚なので、だいたい同じくらいだが、連続撮影枚数はα6600の方が上。ただし、最高速でRAWだと4秒程度しか連続撮影できないので、使い方には注意が必要。
α6600の動画撮影については、α77Ⅱより高性能で、4K30fpsまで対応。ただ、4k動画を撮影する機会はあまりなさそうな気がする。
仕様面では、ほぼα6600の方がα77Ⅱより上ではあるが、一部についてはα77Ⅱの方が上な点もある。最高シャッター速度はα6600が1/4000秒だがα77Ⅱは1/8000秒。α6600の背面液晶は2軸チルト液晶だが、α77Ⅱは3軸チルト液晶で縦位置撮影にも対応できる。α6600はパノラマ撮影不可だが、α77Ⅱはパノラマ撮影可能。また、α6600には内蔵フラッシュがない。いずれにおいても、使用頻度は低い部分なので何とかなる。3軸チルトできないのは少し残念ではある。
なお、主に使用するα6600+SEL1655Gの組み合わせでの重量は約1kgというところ。α77ⅡとSAL1650の組み合わせだと約1.3kgというところなので、さすがミラーレス、軽い。軽いだけではなくサイズも幾分小さいので、撮影中の手の負担が軽減される感じがする。
まだ、α6600の機能を十分に把握できていないが、思い切ってマウント変更まで行って手を出したので、これから使いこなしていきたい。