うちのサブノートPCであるChiwaについては、使用頻度が低いことと、そもそもハードウェア的にあまりパワーアップの余地がないことからあまり積極的なパワーアップを行ってこなかったのだが、例によって思いつきで、最近手が届きやすい価格帯にまで降りてきたSSDを装備してみることにした。
SSDを導入しようと思った理由は、ディスクアクセスに関するパフォーマンスアップというより動作音の軽減である。SSD導入によりゼロスピンドル化することができ、前から気になっていたHDDの回転音を完全に無くすことができるのだ。
ChiwaであるInterLink MP-XP741はPATAなHDDしか搭載できないので、一時、PATAなSSDの情報を集めていたことがあったのだが、その時点ではSATAなSSDより高価でかつ遅いSSDの情報しか入手できず、さすがに手を出せない領域だと考えて一旦あきらめていた。ところが、最近になって、安価になってきたSATAなSSDに近い価格と性能を持つSSDが入手できることが分かった。OS+αで十分な余裕がある64GB品が2万円以下で入手できることも分かったので、一気にSSDへ突撃してみることにしたわけである。
今回選択したSSDはTranscend製のTS64GSSD25-Mという製品で、PATA接続で64GBの容量がある。速度は読み込みが80MB/s前後、MLCタイプであるため書き込み速度は遅めで40MB/s強という性能である。Chiwaの使用形態からして、これだけのスペックがあれば十分であろう。さすがにいつもの行動範囲内ではTS64GSSD25-Mを入手できなかったので通販で購入。
パッケージは上のような感じである。TS64GSSD25-Mには初期型の製品とパフォーマンスアップした新型の製品があり、パッケージデザインが違うらしい。今回は、新型の製品ということを明示していたショップから入手。
本体は上のような感じである。各種サイトに載っていた製品写真から外装は黒いプラスティック製と思い込んでいたのだが、実際は黒塗装された金属製の外装で、作りはかなりしっかりとしている。その分、重量が増えている感じでもあるが。
TS64GSSD25-M到着後、それまでChiwaに搭載していたHDD(HGST HTS541616J9AT00)の内容を、作業用PCなYuko上でAcronis Disk Director Suiteを用いてコピー。このコピー作業中、何度かエラーが検出されたものの、内容自体は正しくコピーできて一安心。特に意識していなかったのだが、換装するタイミングとしてはいいタイミングであったようだ。ちなみに、元HDDについてはセクタリペア処理の結果エラーは消滅したのだが、これ以後の使用はすっぱりあきらめる予定。一度でもエラーが発生したHDDは心配なので使用継続しないのだ。
参考までに、HDD搭載状態とSSD搭載状態のChiwaのマザーボードの写真も載せてみる。
これがHDD搭載状態。
で、こちらがSSD搭載状態。HDDとSSDはフットプリントがほとんど同じで、かつ、端子周りに余計な出っ張りもないので、全く問題なくSSDを搭載できた。その上、SSDの方が少し薄いため筐体内の風通しが幾分良くなりそうなので、CPUファンの回転数も抑えられそうな気がする。
もう一つ参考までに、パフォーマンスの比較など。
HTS541616J9AT00 TS64GSSD25-M HD Tune Transfer Rate Minimum 19.5 MB/sec 43.6 MB/sec Transfer Rate Maximum 48.8 MB/sec 72.9 MB/sec Transfer Rate Average 38.0 MB/sec 66.8 MB/sec Access Time 17.3 ms 0.2 ms Burst Rate 72.2 MB/sec 64.0 MB/sec CPU Usage 2.0% 3.7% CrystalDiskMark 2.2 Sequential Read 43.074 MB/s 79.546 MB/s Sequential Write 35.824 MB/s 42.694 MB/s Random Read 512KB 22.610 MB/s 77.608 MB/s Random Write 512KB 16.448 MB/s 33.874 MB/s Random Read 4KB 0.377 MB/s 12.998 MB/s Random Write 4KB 0.752 MB/s 2.001 MB/s
TS64GSSD25-Mのアクセスタイムとランダム系の性能は、さすがSSDといったところか。MLCなので読み込み速度より書き込み速度が落ちるけれど、それでもHDDより高速なので許容範囲内である。
今のところ、WindowsXPの起動が確実に早くなり、かつ、ログイン後も各種アプリケーション類の起動が完了し安定するまでの時間がかなり早くなったことを実感できる。これで、Chiwaも少し延命できそうだ。後はメモリ強化できればさらに良しなのだが、DDR SDRAMなMicroDIMMの1GB品は種類が少なくかつ高価(3万円を越えるらしい)なので手が出しにくい。現在でも768MB搭載で普通に使えるレベルなので、とりあえず我慢。
ちなみに、このTS64GSSD25-Mはいわゆるプチフリーズが発生しうる製品らしい。ただ、今のところはプチフリーズによるシステム停止らしき症状は発生していない。うちでのChiwaの使い方だと問題があるレベルにはならないのかもしれない。