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NetJuke、HDD換装

  • Posted by: おりおん
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うちでラジオ録音やCD再生の際に使用しているNetJuke NAS-M70HDであるが、そろそろ、世代交代させたくなってきていた。しかし、この手のHDDコンポとして購入に値する魅力的な製品は特に見あたらず、次善策として、HDDを換装して容量を拡大し、延命を図ることにした。

NAS-M70HD(以下NetJuke)は以前にもファン換装などで分解したことがあり、内蔵HDDが3.5インチPATAな80GB品であることが分かっていたため、換装するHDDとしては3.5インチPATAでより容量が大きい製品という条件で情報を収集。最終的に、Western DigitalのWD2500AAJB(250GB)を選択。元のHDDの容量が80GBということで128GBの壁があるかどうかが気になっていたが、NAS-M70HDの上位機種であるNAS-M90HDが250GBのHDDを搭載していたことから何とかなるだろうと思って、購入。例によって完全スキャンを行い問題ないことを確認してから、HDDの換装作業を開始。

情報収集の結果、換装作業は次の手順で実行。

  1. 元HDDの内容を新HDDに元のままコピー。元のままコピーする理由は、何らかの特殊な情報が元HDDの管理領域内に記録されている可能性を考慮したためである。今回は、Linux環境でddを使ってコピーを行った。
  2. 新HDDをNetJukeに搭載し、問題なくNetJukeが起動し、HDDの内容も認識されることを確認。この時点では新HDD内の各パーティションの容量は旧HDD内の各パーティションの容量と同じなので、容量の表示も前と同じのまま。
  3. 一旦、新HDD内の後半4パーティションを削除。ここにはLinuxのブートパーティションやデータパーティションが含まれる。Linux環境では何故かエラーになって削除できなかったので、Acronis Disk Director 11 Homeを使用して削除を実行。
  4. 旧HDD内の後半4パーティションの内容を新HDDに再度コピー。今度はLinux環境にてGpartedを用いてコピーし、同時に容量拡大も行った。
  5. 新HDDをNetJukeに装着し、動作確認。
元HDDを搭載した状態で、NetJukeでのHDD情報の表示はこんな感じ。HDD IDとしてはHDDのシリアルナンバーを使っているようなので、念のためHDD IDの内容は隠してある。
新HDDを搭載した直後(上記2.)でのHDD情報の表示。容量が変わっていないので、表示内容も同じのままで、HDD IDの内容も同じ。
容量を拡大した後で新HDDを搭載した状態(上記5.)でのHDD情報の表示。空き容量が増えていることが確認できる。HDD IDの内容は同じのまま。空き容量グラフが振り切っているのはご愛敬。

ちなみに、NetJukeに元から搭載されていたHDDはSeagateのST3802110Aであった。NetJukeの性格からすると5400rpmな製品が搭載されているのではないかと思っていたら、普通に7200rpmな製品が搭載されていた。ラベル面を見る限り、特殊なファームウェア等が入ったカスタム品というわけでもなさそうである。

新たに搭載したHDDであるWD2500AAJBも7200rpmな製品である。消費電力等のスペックが違うので少し不安があったのだけれど、特に問題はなさそう。下の写真は、HDDマウンタを取り付け後の状態。

ちなみに、このHDDの購入時期は2011年12月なのだが、HDDの製造時期は2008年6月であった…。かなり長い間、寝かされていたらしい。既に現行世代のHDDではプラッタ1枚当たりの容量は1TBな世代になりつつあるので、このWD2500AAJBも1プラッタではないかと期待していたのだが、重量から予想する限りでは残念ながら1プラッタ構成ではない様子。2プラッタ構成なWD10EADS-00M2B0(500GBx2)に近い重量(約590g)なので、おそらく2枚プラッタ構成なのではなかろうかと思う。元のST3802110Aの重量は約400gなので、こちらは1枚プラッタ構成だろう。プラッタ枚数が増えた分、WD2500AAJBの方が少し騒音レベルも上がっている気配だけれど、NetJukeに内蔵した状態では特に気にならなかった。逆に、スピンアップ時のノイズレベルがWD2500AAJBの方が低いため、NetJukeの起動はHDD換装後の方が静かになった。

今回のNetJukeの換装では、ハードウェア面では特に大きなトラブルは遭遇しなかったのだが、数点、注意すべき事態には遭遇した。一つ目は、新HDDであるWD2500AAJBがNetJukeのHDDマウンタ金具と干渉してしまった点である。

HDDの前端(SATA端子側でない短辺)の辺りがHDDマウンタに少し干渉してしまう。HDDマウンタ側が微妙に曲がってしまうものの、HDDの搭載自体には支障が無かったので何とかなった。ちなみに、元HDDであるST3802110AについてはHDDの前端に切り欠きがあるのでHDDマウンタとの干渉は無い。HDD側の切り欠きがあるのはSeagate製のHDDのみのようなので、本来ならSeagate製のHDDを選択しておいた方が無難だったのかもしれない。

もう一つは、NetJukeに搭載するHDDはジャンパ設定をケーブルセレクトにしておく必要がある点である。PATAのHDDを触ったのは久しぶりだったので、ジャンパ設定が必要なことをすっかり忘れていた。一度、ジャンパ設定をマスター設定のままNetJukeに搭載してしまったため、起動できずに冷や汗をかいた。ジャンパ設定を見直して無事に起動できて一安心だったけれど。

なお、NetJukeに搭載されていたHDDについて起動パーティションと思われるパーティションの内容は特に暗号化や特殊なフォーマットが行われている気配も無く、Linux環境では普通にExt3パーティションとしてマウントでき、内容も確認できた。ログファイルを確認することで、NetJukeのハードウェア構成も確認できた。CPUはSH7090で300MHz駆動、バスクロック50MHz、メモリは64MB搭載と、組み込みCPUの環境としては比較的豪華な構成に見える。Linuxカーネルは2.6.8.1だった。

ちなみに、今回のHDD換装はHDDの容量拡大以外にも意味があったようだ。週に数時間程度しか稼働していなかったNetJukeなので、HDDの稼働時間もさほど伸びていないのではと予想していたのだが、HDD換装後に旧HDDのS.M.A.R.T.情報を確認してみると、エラーは記録されていなかったものの稼働時間は17000時間を超えていた。通常のPCに搭載しているHDDだとすれば、異常が無くてもそろそろ現役を引退させて換装したいと考える使用時間である。換装して良かったようだ。

Comments:11

関口 | 返信

はじめまして。ネットジュークHDD換装を調べていたらこちらにたどり着きました。
私の機種も全く同じNAS-M70HDですが10年経過しHDDが少しヘタッテきたようです。
そこでお願いなのですが機械音痴の私に変わってHDDの換装を有償にてお願い出来ないでしょうか?
2017年現在も魅力的な後継機が出ないので何とか延命したいと思っています。
ご返答いただければ幸いです。

関口 | 返信

コメントが正しくできたか不安で再度コメントしました。(送れていたら申し訳ありません)
私の機種も全く同じNAS-M70HDですが10年経過しHDDが少しヘタッテきたようです。
HDD換装を依頼しようと何社か回りましたが全て断られてしまいました。
そこでお願いなのですが機械音痴の私に変わって換装を有償にてお願い出来ないでしょうか?
根っからの不器用・機械音痴の私にこの作業はとても無理であります。
このブログを拝見させていただき勝手ながらスーパードクターに出会えた
ような気持になりました。
後継機種が見当たらない現在我が機種も延命をはかりたいと
考えております。
返答いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

おりおん から関口 への返信 | 返信

返信が遅れて申し訳ありません。(コメント通知機能がちゃんと動いていなかった様子…)
誠に申し訳ございませんが、ご依頼につきましては残念ながらお受けすることは難しいです。
自分のNAS-M70HDであれば作業ミスして壊れてしまっても諦めが付きますが、自分の所有物で
ない製品について問題なく作業を完了できる自信がありませんので…。すみません。
私もNAS-M70HDを置き換えるに値する機種の登場を心待ちにしていますが、なかなか現れませんね。
良機種が現れることを期待しつつ、まだ現役なので使っていくつもりです。

関口 | 返信

返信いただきありがとうございました。
依頼できそうな会社を探すことができ現在待機中です。
メンテナンスもお願い出来そうなので寿命も伸ばせそうです。
またこちらにお邪魔し情報を得たいと思いますので今後とも
よろしくお願いいたします。

Vu tuan anh | 返信

申し訳ございません。この事はもう1回聞きたい事があります。
僕は外国人なんですが日本語はべらべらです、私もNAS-M70HDがありますが、現在HDDハードディスクは壊れてしまいましたです。新しいハードディスクに交換しましたがソフトウェアがありませんから設備起動出来ませんです。誰がバックアップのソフトウェアが有ればご協力をお願い致します。
よろしくお願い致します。

おりおん からVu tuan anh への返信 | 返信

コメントありがとうございます。
NAS-M70HDはパソコンではありませんので、メーカーであるソニーを経由しない限りは
正規の方法でソフトウェアを入手する手段は無いと考えるのが自然です。
ハードディスクが故障してしまうと起動できなくなりますので、ソニーか、あるいは
NAS-M70HDの修理を受け付けている業者に修理を依頼する必要があると思います。

Vu tuan anh | 返信

ご返事して頂いてありがとうございます。
僕は日本で住んっでいませんから、直接ソニー担当者に依頼出来ませんので、誰がバックアップしたソフトはあれば僕の設備に処理出来ると思いますが。

おりおん からVu tuan anh への返信 | 返信

NAS-M70HDのハードディスクドライブ内に格納されているソフトウェアの権利はソニーにあります。
もしバックアップがあったとしても、ソニーに許可を得ることなく他人に提供することは
ソニーの権利を侵害することになり、法律違反となります。

チャトラン | 返信

HDDを換装したら何枚CDをHDDに入れてもHDD情報の表示(空き容量)が100%のままで減少しません。
皆さんは正常表示されていますか?

おりおん からチャトラン への返信 | 返信

NetJukeのファームウェアは空き容量計算の際に現在搭載されているHDDの容量ではなく決め打ちの容量を使っている気配です。換装したHDDの容量が元のHDDより大きい場合、増えた分の容量が埋まらない限りは空き容量表示は変わらないのではと予想します。

チャトラン からおりおん への返信 | 返信

アドバイスありがとうございます。残量表示は100%のままで問題なさそうですね。(システムのコピーに問題ありかと思っていたので)残りの容量が80GBを切った時点で減少し始め、80GBに対して残り何%ということで理解をさせていただきました。パソコンのHDD表示と同じかと思っていたので心配でした。

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