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サーバ、HDD換装。(2019/05)

  • Posted by: おりおん
  • PC

うちのサーバPCであるKanaについて、データ用のHDDは前回の換装から2年以上経過し、そろそろ換装したいと考えるようになった。いくつかのパーティションについて容量を増やしたいとも考えていたので、HDDの総容量を増やす方向で検討を開始。

Kanaに搭載していたHDDは、データ用として4TBなWD40EFRX-68N32N0が3台、バックアップ用として4TBなWD40EZRZ-00GXCB0が3台であった。当初は、それぞれを6TB HDDに換装することを計画したのだけれど、全て換装しようとすると10万円オーバークラスの出費になることと、換装候補であったWD Redシリーズの6TBの現行製品であるWD60EFAXがSMR(瓦記録)であることから、計画を変更。迷ったあげく、データ用HDDとして8TB HDDを2台とバックアップ用HDDとしてを8TB HDDを2台搭載し、合計32TBの構成で行くことにした。この構成だと、6TB HDDの6台構成よりは総容量が少ない代わりにHDDの台数を減らせる。

データ用の8TB HDDとしては、現行世代で24時間運用に対応しているWestern Digital WD80EFAX・Seagate ST8000VN0022・東芝 MD05ACA800から選ぶことにしたのだけれど、いずれも、これまで使用していたWD40EFRX-68N32N0より消費電力が上がるので、どれにするか迷ってしまった。結局、この3機種の中で消費電力が低めなWD80EFAXを選択。

バックアップ用のHDDとしては、コストパフォーマンスを優先し、Seagate ST8000DM004-2CX188を選択。このST8000DM004-2CX188は細かくて大量のデータ書き込みを苦手とするSMRなHDDであるが、バックアップの初回を除けば細かくて大量の書き込みが行われることはないと考え、そのまま選択することにした。

各HDDについてはいつものように通販で購入することにした。今回は、価格的には最安値ではなかったものの、梱包が信用できるツクモにて各HDDを購入。発注後、まもなく到着。やや大きめの箱で届いた。どのような梱包になっているのかと思っていたのだが、HDDのパッケージ4個がちょうど入る程度の小さい箱に各HDDパッケージがまとめて入れてあって、その箱が、さらに大きい箱にエアバッグにくるんだ状態で梱包されていた。このような梱包だと箱の中でHDDパッケージが勝手に動き回ることなく衝撃から守られ、完璧だと思う。さすが、ツクモ。

いつものように各HDDのベンチマークを取ったあとで完全スキャンを行い、エラーが検出されないことを確認できたので、データの移行を開始することにした。データの移行については、Kanaの各HDDの内容をシステム系のパーティションを含めてパーティションコピー系のソフトで全てコピーしようとしたのだが、ソフトによってはKanaのHDD内のパーティションのうちコピーできないパーティションがあったり、コピー時にパーティションサイズの変更ができなかったりして、結局、パーティションコピーでのデータ移行を断念。新しいHDDをKanaに搭載した上で、KanaのOSであるFedoraをインストールして環境を再構成し、その後で各データパーティションの内容を個別にコピーすることにした。データの総容量が多いので時間はかなりかかったものの、データの移行は完了。念のためコピー元・コピー先のパーティションの内容比較も行った上で、問題ないことを確認し、このまま、正式運用に移行。

今回採用したHDDであるWD80EFAXは、枝番込みでの型番がWD80EFAX-68KNBN0となる。WesternDigitalのサイトにある製品情報では、このHDDは「5400rpmクラス」と記載されている。ただし、5400rpmにしては消費電力が高く発熱も多めというレビュー結果があり、気になっていた。これまで、各HDDを購入した際にはベンチマークとしてCrystalDiskMarkでベンチマークを取り、HDDの回転数の調査のためにHddRpmEstを使用していたのだが、このWD80EFAX-68KNBN0についてはHddRpmEstでは回転数として検出される数値が分散してしまい正しく回転数を推定できない。たまに7200rpmに近い数値が検出されるので、実回転数はおそらく7200rpmであろうと予想されたのだが、他に回転数を検出する方法として動作音の分析があることが分かり、試してみた。その結果、120Hzあたりの音が動作音のピークとして検出されていたので、7200rpm(120Hz x 60 = 7200)であることがほぼ確定できた。7200rpmなHDDとして考えると、消費電力の高さと発熱量についても納得できる。7200rpmなHDDを速度制限して5400rpmなHDD相当のパフォーマンスにしているようだ。ちなみに、ST8000DM004-2CX188についても同様に動作音の解析を行ってみたのだが、こちらは90Hzあたりの音がピークだったので、5400rpm(90Hz x 60 = 5400)であることが分かった。

プラッタ数が多い最近の大容量HDDは、HDD底面のネジ穴のレイアウトが従来のHDDと異なるものがあり、従来のHDDを搭載する前提なケースによってはHDDを固定できないことがある。このWD80EFAX-68KNBN0についてもネジ穴のレイアウトが違っていたが、従来のHDDと同じ位置にもネジ穴があった。ST8000DM004-2CX188については従来通りのネジ穴レイアウトであった。KanaのケースであるDefine Miniは発売開始から時間が経ってから購入したもので、HDDトレイが改良されて従来型HDDと大容量HDDのどちらでも固定可能になっていたこともあり、各HDDを問題なく搭載することができた。

HDD-ScrewHole

HDD底面のネジ穴のレイアウトの比較。
左側がST8000DM004-2CX188で右側がWD80EFAX-68KNBN0。
WD80EFAX-68KNBN0の方がプラッタ寄りのネジ穴が多い。


 

HDD-Tray

HDDトレイに装着後の状態。
WD80EFAX-68KNBN0の方はHDD端に近い側のネジ穴を採用。


 

 

ST8000DM004-2CX188はSMRなHDDで細かくて大量のデータの読み書きが苦手なタイプなので、初回のバックアップについてかなりの時間がかかると予想していたのだが、当初の予想よりは、時間はかからなかった感じ。HDD自体の転送速度が違う(WD80EFAX-68KNBN0は210MB/s、ST8000DM004-2CX188は190MB/s)ことを配慮しても、やはり、ST8000DM004-2CX188の方が遅かった。ただし、速度差が顕著に出たのは初回バックアップだけなので、問題はないとは思う。

HDD-Speed

パーティションコピー時の使用容量増加グラフを見ると、転送速度の違いが分かる。
上側がWD80EFAX-68KNBN0、下側がST8000DM004-2CX188。
ST8000DM004-2CX188の方がさすがに遅いが、劇遅、というほどでもない。

今回のHDD換装で7200rpmなWD80EFAX-68KNBN0を搭載したこともあり、Kana全体の消費電力が上がってしまうことを心配していたのだけれど、特に大幅な増加になることはなく、HDD換装前とほとんど同じで平均39Wというところであった。WD80EFAX-68KNBN0は消費電力が高めであるもののST8000DM004-2CX188が低消費電力で、HDDの台数も減ったことでもあり相殺されたらしい。また、WD80EFAX-68KNBN0の動作音や振動についても少し心配していたけれど、動作音はシーク時を除けば静かなほうであり、振動も低めで一安心。前のHDD6台構成の状態よりも振動が減った。

今回のHDD換装については、WD80EFAX-68KNBN0の発熱とST8000DM004-2CX188側の耐久性についてやや心配ではあるものの。今のところ、成功であったと思う。問題が出ないことを期待し、このまま運用を続ける予定。

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