今年の構成更新でYuiに採用したCPUであるCore i9-9900Kについては、性能向上の代償として発熱量がかなり増加していた。一旦、前から使っていたSilverStone製のHE01をそのまま搭載して運用を開始したものの、ファンが静音モードのままではCore i9-9900Kの定格動作での発熱量に対応できず、パフォーマンスモードに変更しファンが全開運転の状態でぎりぎり対応できる状況であった。この状態ではかなり爆音であったので、より高性能な他のCPUクーラーに換装して、冷却性能を強化した上で静音化したくなった。

CPUの冷却性能を上げるには、第一段階として、水冷キットに手を出すか、より高性能な空冷クーラーに換装するかの選択になった。最近では本格的な水冷キットを導入せずとも簡易水冷キットでも高性能な製品が出ているようだが、高性能な簡易水冷キットは相応に高価だし、また、まだ水冷については信用し切れていないこともあり、今回はより高性能な空冷クーラーを導入することにした。

高性能な空冷クーラーについて調査した結果、今回は、冷却性能と静音性を両立しているとの評価があったnoctua製のNH-D15を選択することにした。発注を決意した時期にはNH-D15が品薄状態で、在庫があった店舗で発注したところ、発注直後に在庫切れのためキャンセルを食らってしまった。他の店舗ではNH-D15は定価を上回る価格が付いていて発注する気にならなかったので、NH-D15のAMD AM4ソケット専用モデルNH-D15 SE-AM4とIntel LGA1151対応のリテンションキットNM-i115xの組み合わせを発注して対応することにした。この組み合わせでも、他店舗でのNH-D15の価格より安かった。あと、CPUグリスとして評価が高いthermal grizzly Kryonautも発注。

NH-D15 SE-AM4とNM-i115xのセットとthermal grizzly Kryonautはまもなく到着したので、次の週末に装着作業を実行。

	NH-D15 SE-AM4とHE01を並べてみた。 NH-D15 SE-AM4は標準でデュアルファン構成なこともあり HE01より確実に大きい。
	NH-D15 SE-AM4をNM-i115xを使って装着。 ビデオカードとのクリアランスが心配だったけど問題なし。 右側ファンはメモリーと干渉したのでファン取付位置を上寄りに変更。

Define R6 USB-Cに標準で搭載されている140mm角ファンについては、静音な代わりに風量はそこそこ、という感じであったので、こちらも換気性能向上のため交換することにした。Define R6 USB-Cに搭載できるファンは140mm角もしくは120mm角のファンであるが、より風量を稼ぐために140mm角38mm厚のファンを搭載することにした。この140mm角38mm厚のファンの選択肢は非常に少なく、問題なく入手できる製品はSilverStone製のSST-FHP141かSST-FHP141-VFのどちらかになる。SST-FHP141-VFの方が新しい製品ではあるが、このSST-FHP141-VFで採用された回転方向切り替え機能は不要だったし、SST-FHP141の方が風量・静音性が上のようだったので、SST-FHP141を選択。フロントファン用に2個、リアファン用に1個の合計3個を発注し、装着。SST-FHP141はHE01に搭載されているファンと同じもので、動作モードを静音モードとパフォーマンスモードに切り替えられるようになっている。当初はフロント・リアともパフォーマンスモードに設定してみたのだが、CPUの温度が上がった際にファンも全開運転し非常にうるさい状況だったので、静音モードに設定を変更。SST-FHP141の動作切り替えはファン本体に装着されている小さなスライドスイッチで行うようになっているが、このスイッチの挙動が統一されていなかった。今回、購入したSST-FHP141は上記したように3個だったのだが、そのうち2個は実際のパフォーマンスモード・静音モードとスイッチの切り替えが逆（スイッチ取り付け基板上のプリントと実際の動作モードが逆）であった。仕方ないので、各ファンが静音モードで動作するようにスイッチを設定。

今回の冷却性能強化前では、OCCTを実行しCPUがフルロードの状態でのCPU温度が92度前後になっていたが、強化後では同様の状況でCPU温度が81度前後になった。約10度ほど温度が下がったことになる。その上、ファン全開運転時の騒音についてもHE01よりNH-D15 SE-AM4の方が明らかに低い。CPUクーラー一式としては高価（NH-D15 SE-AM4 + NM-i115x で約13000円）だったけれど、NH-D15を採用して良かったと思う。