うちのサブPCであるAiに搭載している電源はHuntKey製のAYAKAZE300で、使用開始から既に5年以上経つ。Aiは特に電源周りで不安定な傾向を示すこともなく順調に運用できていたけれど、さすがに低負荷なAiとはいえ、このAYAKAZE300をAiに装着してから5年以上の間24時間運用していたので、そろそろ電源を換装したくなった。で、情報収集を開始。

Aiの平均消費電力は30W前後でCPUフルロード時でも90W程度なので、余裕を持たせるにしても電源出力は200Wあれば十分である。しかし、ATX/SFX電源で出力が200Wクラスの製品の選択肢は非常に限られる上、出力効率もさほど良くない製品ばかりである。これまで使っていたAYAKAZE300は300W出力でオーバースペックではあるものの80PLUS GOLD認証を取得した出力効率が良い電源で、購入当時、これなら妥協出来るかなと思って購入して、そのまま現在まで使用していた。現在では、出力300W以下でかつ80PLUS GOLD以上の認証を受けているATX/SFX電源の選択肢は実質的に無し（あっても国内では入手困難）という状況で、次期電源はどれにすれば良いのか非常に迷った。

迷ったあげく、実運用時における出力効率が悪化することについて妥協した上で選択した製品は、SilverStone製のSFX電源、SST-ST300SF V2.0である。この電源は80PLUS BRONZE認証を取得した電源で出力効率はAYAKAZE300より落ちるけれど、この電源を選択した時点では、よりAiに適した電源はないと思ったのだ。ちなみにSST-ST300SFにはV1.0もある。大きな違いは、V1.0がセミファンレス動作でファン径8cmであることに対して、V2.0はセミファンレス動作無しでファン径が9.2cmなことである。他にも、V2.0ではいくつか保護機能が追加されている。

SST-ST30SF V2.0を購入後、さっそくAiに装着して動作確認。心配していたコイル鳴きは皆無で、ファンの稼働音もほとんど気にならなかった。OCCTやPrime95での高負荷テストにも耐え、そのまま運用していっても問題なさそうに思えた。しかし、やはり気になってしまったのが消費電力である。AYAKAZE300装着時ではアイドル時の消費電力が23W程度・OCCTでの負荷テスト時の消費電力が83W程度であったが、SST-ST30SF V2.0装着時にはアイドル時27W・OCCTでの負荷テスト時が86Wと、それなりに悪化してしまった。この数値でも十分に低消費電力ではあるけれど、やはり、以前より悪化したことについて気になってしまったのだ。

少々迷ったけれど、さらに高効率電源について情報収集してみたところ、玄人志向扱いの電源 KRPW-TI500W/94+という製品を発見。このKRPW-TI500W/94+は最大出力が500WなのでAYAKAZE300やSST-ST30SF V2.0よりさらにオーバースペックであるけれど、80PLUS TITANIUM認証を取得したかなり高効率な電源である。KRPW-TI500W/94+は低出力域の効率もかなり良いとの評価があったので、手を出してみることにした。

KRPW-TI500W/94+を購入後、Aiに装着。こちらもコイル鳴きがなくて一安心である。例によって負荷テストを実行してみたが、問題なくパスしてくれた。消費電力を計測してみたところ、アイドル時25W・OCCT負荷テスト時84Wという結果になった。AYAKAZE300よりは悪いけれど、SST-ST30SFよりは良い数値である。さすがにこれ以上に高効率な結果を得るのは厳しそうに思えたので、このKRPW-TI500W/94+をそのまま使っていくことにした。現在に至るまで、Aiは特に不安定な傾向を示すこともなく、安定して稼働している。

最近のPCは低消費電力になったので、低出力でかつ高効率な電源の需要はそれなりにあると思う。しかし、電源メーカーは低出力かつ高効率な電源を開発してくれない様子。高出力で高効率な電源はいくつもあるけれど低出力で高効率な電源がほとんど無いのは、低出力で高効率な電源を作ることが単純に難しいからなのか、あるいはメーカーが需要がないと判断しているためだろうか。個人的には、200W前後の出力で高効率な電源の需要はかなりあると思っているので、どこかのメーカーがリリースしてくれないかと期待している。