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4Kモニター、更新。(2022/02)

  • Posted by: おりおん
  • PC

うちで使っているモニターは4K解像度対応のLG製27UD88-Wなのだが、しばらく前から画面に焼き付きのような症状が発生するようになり、気になっていた。症状がじわじわと悪化している気配もあったので、そろそろ新しいモニターに換装したくなり、調査を開始。

焼き付きのような症状と記載したが、より正確に言うと、画面を表示して数分以上経過すると画面周囲にそれまでの表示内容が薄く残像のように残ってしまう、という状況であった。当初は画面右下の方あたりで発生していることに気がついたのだが、最近では画面周辺部分全てで発生するようになり、症状が進行している気配であった。27UD88-Wの電源を切ると残像は消えるものの画面表示を続けると再発するので気になり、何とかしたくなったわけである。

27UD88-W-残像

残像が出ている状況。全画面をグレーにしてある。
画面周囲にそれまでの表示内容がうっすらと残ってしまう。
画面右下の小さな半円はAI Suiteのアイコンなので気にしないで欲しい。

27UD88-Wは購入してから5年以上経過していて保証期間も終わっているので修理対応は検討せず、予算が確保できていることを確認できたので新しいモニターを購入して置き換えることにした。

新しいモニターとしては、27UD88-Wとほぼ同等(4K対応27インチモニター)のスペックを持つ製品から選択することにした。いくつかの製品の中からDell製のU2720Qまたは2720QMが良さそうに思えたのでさらに調査を進めたところ、発売開始時期が2020年4月ごろということで2年近く経過していることが気になった。Dellのサイトを確認してみたところ既にカタログ落ちしていたので、まもなく後継機種が発売されることが予想できた。で、しばらく待つことにし、Dellの国内サイトとグローバルサイトを定期的に確認していたのだけれど、グローバルサイトに後継機種であるU2723QEが掲載され、すぐに発売開始されたことに気がついた。U2720Q/QMについてはグローバルサイトでの発売開始から国内での発売開始までしばらくかかっていたので、U2723QEについても国内での発売開始はしばらく先になるのではと予想していたら、さほど間を開けずに国内でも製品発表があり、すぐに発売開始された。U2723QEの販売開始時の価格も十分に予算内であったのですぐに発注。Dellの製品は海外から発送されるイメージがあったのだけれど、今回は国内から発送されたようで、さほど時間がかからずに到着。週末に開封して組み立てを行い、27UD88-Wを設置場所から移動させてU2723QEを設置。今回は設置開封時の写真を撮り忘れた…。

U2723QEとCS1924との間をU2723QE付属のDisplayPortケーブルで接続し、メインPCであるYuiの画面表示が問題なく行えることを確認。サブPCであるAiや作業用PCであるSaoriについても表示確認を行おうとしたのだけれど、ここで問題が発覚。画面上にノイズが表示されたり画面が頻繁に点滅してしまうようになったのだ。酷いときにはU2723QEがブラックアウト状態から復旧できず全く操作を受け付けなくなる事もあり、コンセントから電源ケーブルを抜いて強制シャットダウンを行わないと復旧できなかった。

AiとSaoriについてはYuiと違ってCPU内蔵グラフィックスを使用していたので、Aiに手持ちのビデオカード(MSI GeForce GT 1030 2G LP OC)を搭載して、それ経由でCS1924へと接続して状況が改善するか試してみたところ、ノイズやちらつきの発生頻度がかなり下がって、何とか実用に足るレベルの画面表示が行えることが判明。ここでふと思いついたのが、DisplayPortのバージョンによる影響であった。Yuiのビデオカード(GeForce RTX 2080)のDisplayPortはバージョン1.4で、Aiに装着したビデオカード(GeForce GT 1030)のDisplayPortのバージョンも1.4である。その一方で、AiとSaoriのマザーボード側のDisplayPortのバージョンは1.2である。また、U2723QEのDisplayPortのバージョンも1.4である。SaoriのDisplayPortとU2723QEのDisplayPortをケーブルで直結したら安定して表示できていたので、CS1924経由のDisplayPort接続においてバージョンが1.4と1.2で混在している状況がまずいのではないかと思ったのである。全てDisplayPort1.4に揃えることができれば良いのだけれど、すぐには実行できないため、とりあえずはAiにビデオカードを搭載して運用することにして、稼働頻度が低いSaoriについては後ほど対応を行うことにした。

上記対策でYuiとAiについてはほぼ実用レベルの画面表示を実現できたのだけれど、Aiの方は時々画面がちらつく状況が発生していた。これまで、CS1924とU2723QEの間はU2723QE付属のDisplayPortケーブルで接続していたのだけれど、DisplayPort1.4正式対応を謳うケーブルで接続すればさらに状況が改善されるのではないかと考えた。で、短めのDisplayPort1.4対応ケーブルを確保してCS1924とU2723QEを接続してみた。この対処により、Aiの画面表示のちらつきは発生しなくなった。Saoriの方の問題はまだ残っているけれど、これでYuiとAiの運用に問題がなくなった。

U2723QEを安定して使用できることが分かったので27UD88-Wは処分することにした。処分前に、同じ画面を双方のモニターに映して画質を比較してみた。各画像とも、左側がU2723QEで右側が27UD88-Wである。全白(全画面RGB=255)での輝度を輝度計をつかって近い状態に合わせたあと、少しU2723QEの方を色調整(やや緑色を落として白の純度を上げる)して撮影。

画質比較-紅葉

以前に撮影した紅葉の写真。

ややU2723QEの方がコントラストが高く見える。

画質比較-オルゴール

ROKKO森の音ミュージアムの大型オルゴールの写真。

画質比較-花火

花火の写真。

27UD88-Wの方が黒浮きが多め。

画質比較-グラデーション

グラデーション画像。

U2723QEはIPSBlack液晶採用で公称コントラスト比が1:2000となっていて、27UD88-Wの公称コントラスト比(1:1000)を上回っている。U2723QEはIPS液晶にしては黒浮きが押さえられている感じだけれどVA液晶(1:3000以上らしい)ほどのコントラスト比は出ていないので、「ちょっとマシ」程度の認識としておいた方がよさそう。

CS1924はDisplayPort1.2対応のKVMスイッチであり、DisplayPort1.2だと4K解像度でのHDRがサポートできないと思い込んでいたのだけれど、U2723QEの設定でDisplayHDRを有効にしてYuiのWindows11の方もHDRをONにしたら問題なくHDR表示が行える事を確認。HDR表示だと30ビット(RGB各10ビット)カラーになるが、60fpsであればDisplayPort1.2接続でも帯域が足りるようだ。ただ、U2723QEはHDR対応とはいえDisplayHDR400規格までの対応でローカルディミングもないので、SDRよりは輝度差が大きい表示ができる、というレベル。本格的なHDR表示については有機ELな48A9Sがあるのでそちらに担当してもらうことにする。

Aiについては、これまで、CS1924経由で表示を切り替えた際に画面上のウインドウ配置が乱れたり画面表示自体がなかなか行われないことがあった。27UD88-WからU2723QEに変更した事が影響しているのかDisplayPortのバージョンが1.4になったことの影響かは分からないけれど、表示を切り替えた際にウインドウ配置の乱れが発生することがあまりなくなって、画面表示もすぐに行われるようになった。上記症状は発生頻度がそこそこあってストレスになっていたので、解消されたのは有り難い。

U2723QEは4辺フレームレス設計で前面にボタン類は一切なく控えめな電源インジケーターがある程度。DELLロゴも前面にはなくスタンド部分にちょこんとあるだけ。このデザインはかなり良いと思う。27UD88-Wの電源インジケーターは無駄に高輝度で輝度調整不可な上にスリープ状態だと点滅する仕様であり、スリープ状態だとかなりうざったいのでスリープにせず毎回電源を切っていたのだけれど、U2723QEの電源インジケーターは小さく控えめに光る上にスリープ中はゆっくり輝度変化するので、スリープ状態でも全く気にならない。U2723QEの設定や操作は背面にあるジョイスティックで行うことになるのだけれど、これの操作性はあまり良くないと思う。操作性については27UD88-Wのジョイスティックの方が上。

U2723QEのスタンドは比較的フットプリントが小さめだけれど十分に安定しているし、27UD88-Wではなかったスイベル機能もあって悪くない。27UD88-Wのスタンドは安定しているけれど半円形の足がでかすぎて邪魔だったのだ。

U2723QE・27UD88-Wとも画面表面はノングレアタイプで映り込みは少ない方だけれど、U2723QEの方がやや映り込みがある感じがする。ノングレアとハーフグレアの中間、という感じかな。

ちなみに、U2723QEにはKVM機能があるとのことで、U2723QEに接続したキーボード・マウスを各PCで共有できるようなのだが、うちではCS1924経由で既に共有しているので、KVM機能を使うことはなさそう。U2723QEにはDisplayPort/HDMIとも入力だけではなく出力があってディージーチェーン接続できるけれど、この機能もおそらく使わないと思う。もうひとつ、U2723QEには有線LANポートもあるけれど、これはノートPC等、本体に有線LANポートがないPCとUSBTypeCケーブルで接続した際に外付けLANポート相当として使えるらしい。これも、おそらく使うことはなさそうだ。

今回は画面表示の不具合により当初の想定よりは早めにモニターを更新することになったのだけれど、U2723QEで改善された点がいくつかあって、更新したことに対する満足度はけっこう高い。購入時には念のため5年分の追加保証を付けたけれど、その間は問題なく使えることを祈る。

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