うちのLAN環境について、有線LAN環境を1GbEに変更したのは2003年1月ごろである。1GbEの後継である10GbEや5GbE、2.5GbEもしばらく前から登場してはいるものの、価格や消費電力等を考えるとまだ家庭内で使用するのは現実的でないと思い手を出していなかったのだが、ここ数年で2.5GbEの機器が安価になってきたので調査を開始。

2.5GbEに関する調査を開始したのは今年10月ごろである。メインPCの構成更新で有線LANが2.5GbEになることがほぼ確実になったので、ついでにうちの有線LANも2.5GbE化することを思いついた。メインPC関連については構成更新で2.5GbE化することになるので、先行してスイッチングハブを2.5GbE対応の機種に入れ替えて、サーバーのKanaのNICも2.5GbE対応のNICに入れ替えることにした。

少し前にBUFFALOから比較的安い2.5GbE対応スイッチングハブが出ていたのは知っていたのだけれど、この製品の評価については微妙な気配であった。最近になって、PLANEXからさらに安価な2.5GbE対応5ポートスイッチングハブFX2G-05EMが発売開始された。このFX2G-05EMの評価がそこそこ良かったので、これに手を出すことにした。

2.5GbE対応のNICについて、安価な価格帯の製品についてはEthernetコントローラとしてRealtek RTL8125系が搭載されているものが多かった。これまでRealtek製のEthernetコントローラーについてはあまり良い印象を持っていなかったのだけれど、最新世代のRTL8125Bについては低消費電力で安定性も高いとの評価であった。一方で、Intel製のEthernetコントローラーi225Vについてはエラッタ等の存在により芳しい評価ではなかったので、今回はRTL8125Bを採用したNICの中から検討することにし、Planex製のGPE-2500Tを採用。

FX2G-05EMについては、これまで使っていたNETGEAR GS116v2と換装。GS116v2は16ポートハブでFX2G-05EMは5ポートハブなので、単純に換装するだけだとポート数が足りなくなる。ただ、有線LAN接続していた機器のほとんどが無線LANにも対応していたので、PC系を除く各ハードについて可能なものは無線LANによる接続に変更。何とか、有線LANポートが5ポートでも足りる状況に持ってこれた。ちなみに、FX2G-05EMは2.5GbE対応のハブとしては低発熱な方だが、うちのルーターであるRTX830と重ねて設置しておいたらそこそこ熱くなっていたため、RTX830と離して設置するように変更。これで筐体の放熱効果が向上したようで、筐体温度が熱い状態からぬるい温度程度に軽減された。

Kanaの環境はLinuxなので、新しい世代のEthernetコントローラーであるRTL8125Bが正しく認識されて使用可能になるのかどうかについては不安があった。実際にKanaにGPE-2500Tを装着して起動してみると、あっさりと認識されて正常動作。やや肩透かしを食らった感じである。

ちなみに、うちの有線LANケーブルについてはほとんどがCat6対応のケーブルを使っていたので、ケーブルを交換しなくても問題なく2.5GbEに対応可能な状況であった。一部、Cat5Eのケーブルを使っていた箇所があり、そこは余っていたCat6対応LANケーブルに置き換えて対応。

この時点ではKanaとスイッチングハブのみ2.5GbE対応になっただけでKanaとスイッチングハブ間のみ2.5Gbpsでのリンクとなり他PCとの通信はまだ1Gbpsのままであったが、メインPCであるYuiの構成更新でYuiとKanaの間で2.5Gbpsでの通信ができるようになった。YuiとKanaの間でiperf3を使って通信速度の確認を行ってみたところ2.3Gbpsを超える速度が出ていたので、無事に2.5GbE対応になっている気配。実際の運用でも、明らかに1GbE時代より転送速度が上がっていることが確認できている。ただ、転送元や転送先がHDD上のファイルなのでそちらがボトルネックになってしまうため200MB/sを超えるような通信は確認できていないけれど、最大で100MB/s台後半（180～190MB/sあたり）の速度は出る。1GbEだと最大でも100MB/sを少し超える程度の速度に留まっていたので、明らかに速い。2.5GbE化を行って良かったと感じる瞬間である。