うちでは、これまでHDD/BDレコーダとしてSONYのBDZ-AX2000(以下、AX2000)を使用してきた。この製品は購入当時のハイエンド機種であり、レスポンスが悪い点があるものの、機能面・性能面ではそんなに不満はなかった。しかし、ダブルチューナ機であることから、たまに運用上不便を感じる事もあったので、少し前からトリプルチューナ機を購入したいと考えるようになってきた。今年になって、新機種がそろそろ出てきそうだったので、本格的に調査を開始。
少し前に実家のレコーダが故障して、その際に導入されたPanasonicのDIGA(DMR-BRW500)が、ローエンド機ではあったもののなかなか良い感じだったので、今回はSONYのBDZシリーズ以外にDIGAシリーズも調査対象に加えて、新製品の発表時期まで待ってみることにした。先にDIGAシリーズの新製品が発表されたが、BDZシリーズの新製品が発表される時期になるまでは手を出さずに待ってみることにした。ところが、例年だとBDZシリーズの新製品が発表される時期になっても発表はなく、それどころか、今年はBDZシリーズの新製品が出ないという噂も出てくる始末。どうやら、BDZシリーズの内部プラットフォームが大幅に変更され、開発に時間がかかってるらしい。で、結局はDIGAシリーズに手を出すことにした。
検討の結果、今回はDIGAシリーズの6チューナ機であるDMR-BRG2010(以下BRG2010)を購入することにし、情報収集。AX2000を購入した店舗がBRG2010についても安値を付けていたので確認したところ、品切れ・メーカー在庫なしで入荷未定と言われてしまい、その店での購入を断念。近くのエディオンで在庫があったので交渉してみたところ、何とか納得できる価格を提示してくれたので、購入を決意。BRG2010は本体自体がコンパクトで箱もコンパクトなので、配送してもらう必要もなく、手持ちで持って帰ることができた。帰宅後、まずはTVラックの整理・清掃を行い、設置作業を開始。
設置作業はさほど困ることなく完了。セットアップについても特に問題なく、実際に録画予約を入れて運用を開始。実家で使用しているBRW500と同様、各種レスポンスは良い。番組表が内容をちゃんと表示したままズリズリスクロールできるのは少し感動。
しばらく運用してみて、気になる点も出てきた。このBRG2010もHDMI経由で各種連動処理ができるビエラリンク対応なのだが、どうやら癖があるらしい。BRG2010の電源を電源ボタンで普通に入れても、AX2000とは違って連動機能が動作しないのだ。連動できない原因がまさかBRG2010側にあるとは予想しなかったので、HDMIケーブルをPanasonic純正のものに交換したりしたのだが連動せず、これは不便かもしれないと思い始めた。そんなときに、何気なくBRG2010のリモコンの録画一覧ボタンを押してみたところ、BRG2010の電源が入り、連動してTVとAVアンプの電源も入ってくれた。どうやら電源ボタンでは連動しないらしい。他にも、スタートボタン等でも同様の連動が行えるようだ。
その他、いくつかAX2000と比較して、良くなった点と不便になった点を並べてみる。
AX2000 | BRG2010 | 備考 | |
レスポンス | ○ | ◎ | AX2000のレスポンスでも十分だが、BRG2010のレスポンスはさらに快適。 |
HDMI 連動 | ◎ | ○ | AX2000の連動機能はかなり便利だった。 BRG2010のリンク機能は癖があって使いにくい。 |
番組検索 | ○ | ○ | AX2000は検索条件のフィルタが豊富だが最大200件の表示制限あり。 BRG2010はAX2000より検索フィルタが貧弱で表示も1日単位になるが、表示制限はなさそう。 |
画質 | ◎ | ◎ | 双方とも画質は良い。 BRG2010はハイエンド機ではないが健闘しているとは思う。 |
オートチャプター | ◎ | △ | オートチャプターの精度はAX2000の圧勝。 BRG2010のオートチャプターは当てにならず。 |
チューナの扱い | ◎ | ○ | AX2000は2チューナで、各チューナ間に機能面での差はなし。 BRG2010は6チューナ機ではあるが厳密には3+3チューナ機となる。 (視聴・録画用 / 録画専用) 放送時間変更などで同じグループ内のチューナの予約が一杯になっても、別グループへの予約の移動は不可。 |
長時間録画 | ◎ | △ | AX2000は録画モード指定でDR以外の長時間録画モードを指定するとその録画モードで録画されるが、BRG2010は直接長時間録画モードを使った録画は不可能で、一旦DRモードで録画して後から変換される仕様。 ただしうちではDRモード録画しかしないので問題なし。 |
デザイン | ◎ | ○ | AX2000はハイエンド機だけあってデザイン面にも高級感あり。 BRG2010のデザインもシンプルで良い。 |
サイズ | △ | ◎ | BRG2010は圧倒的にコンパクト。 AX2000も巨大ではないがそこそこ大きい。 |
ちなみに、BRG2010は6チューナ機なのでB-CASカードを2枚使用する。B-CASカードは1枚あたり最大3チューナまでしかサポートしないため、6チューナ機であるBRG2010ではB-CASカードが2枚必要になる。それぞれのB-CASカードについては、視聴・録画用のチューナ向けと、録画専用のチューナ向けという割り当てになっている。有料放送の録画時には視聴・録画用のB-CASカード側が使用されるので、有料放送の契約済みなB-CASカードを視聴・録画用のB-CASカードスロットに装着しておけばよい。
サイズ面について実際に比較してみた写真は、以下の通り。BRG2010がかなりコンパクトなことが分かると思う。
![]() | 上から、 DMR-BRG2010 BDZ-AX2000 TZ-DCH8000(CATV HDR+) である。 幅は全て同等。BRG2010は奥行きが短く薄い。 ちなみに、外装の高級感があるのはBDZ-AX2000。 BRG2010はそれほどでもない。天板のクリアパネルは余計な気がする。 |
今のところ、BRG2010の購入は正解であったと思う。前から気になっていたチューナ数問題はほぼ起こりえないし、操作感も良い。ただし、連動機能とオートチャプター機能については退化してしまったので、ここだけが残念ではある。
浮いたAX2000については、もう少し先になってから退役させ、売却予定。
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