少し前に、SONYより「500mm F8 Reflex」 (SAL500F80) の生産完了アナウンスがあった。このレンズは焦点距離500mmの反射望遠レンズで、現状唯一、オートフォーカスが効く製品である。前から興味があったレンズだったので、いずれは手を出してみたかったのだが、やや高価なのでまだ手を出していなかった。今回の生産完了アナウンスで、いずれは入手が難しくなるのではと考えたのだが、このSAL500F80と同等のレンズとしてMINOLTA製の「AF REFLEX 500mm F8」 (以下、MINOLTA AF REFLEX) があり、これの中古なら比較的手を出しやすい価格で入手できそうなので、手を出してみることにした。
職場近くにいくつか中古レンズを取り扱う店舗があるので、退社後に出撃してみた。双方の店舗にMINOLTA AF REFLEXの在庫があったので、そのうちの一つを確保。ケース・フード・レンズカバー・専用NDフィルター全て付属していて33000円程度であった。
このSAL500F80とMINOLTA AF REFLEXに共通する特徴としては、500mm (APS-C換算で750mm) という超望遠にもかかわらず、比較的コンパクトなサイズ (SAL70300Gとほぼ同サイズ) と比較的軽い重量 (実測で707g) なことと、反射光学系特有のリングボケがある点である。その代わり、絞り機構無しでF8固定なことと、やや輪郭が甘くなるという短所もある。絞り機構が無いために光量を絞れないので、レンズ本体に交換式フィルターを差し込めるようになっていて、ノーマルフィルタとND4フィルターを選択することで光量を調節できるようになっている。また、リングボケについては、通常の屈折光学系のレンズだと円形に出るボケがリング状に出る。このリングボケについては、このレンズの味と考えれば短所というより特色と言い換えられるかもしれない。
早速、撮影テストのために、六甲アイランドやポートアイランドの海沿いの公園に出撃。リングボケの効果を確認したかったため、水面の反射がぼけて写り込むように撮影してみた。 (以下、サムネイルのリンク先は実寸サイズで巨大なのでご注意)
超望遠を生かして、上空を飛んでいた鳥さんも撮影。このレンズはAFエリアが中央固定で、かつ、被写界深度がかなり浅いため、高速で動く物体を撮影するのは難しい方のようだ。なお、AF速度はそんなに悪くないが、良い方ではない。
同じ場所から、SAL1680Zの望遠端とMINOLTA AF REFLEXでそれぞれ近い時間帯の夕方の風景を撮影してみた。SAL70300Gとも比較した方がよかったのだが、今回はSAL70300Gを持ち込んでいなかった。
このMINOLTA AF REFLEXについては、撮影した写真を等倍で見てしまうと輪郭の甘さがかなり気になる。当初は、画質に個体差があり、今回は外れの個体を引いたのではないかと思って購入元の店舗で相談してみたのだが、フィルムカメラ時代の設計なので画質についてはこんなものとのこと。等倍で見ようとしなければそこそこの画質には見えるので、今回は妥協。リングボケについてはこのレンズの味と考えれば長所となるし、やはり、このサイズで超望遠が使えるのは大きい。もしかすると、SAL70300Gより出番が多くなるかもしれない。
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