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インターネット環境、IPv6化。(2017/11)

  • Posted by: おりおん
  • PC

うちのインターネット接続環境は「フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼」(以下、フレッツ隼)で、カタログスペック上は最大1Gbpsでの接続が可能というコースである。この環境に切り替えたのは2013年2月で、切り替え直後のトラブルはあったものの、安定した後では夜間や休日でも上り下りとも数100Mbpsという速度が出ていた。しばらく前から、妙に速度が出ない感覚があって速度計測してみたところ、平日夜間や休日だと下り速度が10Mbpsを切る状況が判明。通常のWebブラウジングにも支障が出る状況だったので、さすがに対策を行いたくなった。

具体的な対策を行うことを決断する前、現状を把握するため、下り速度をしばらくの期間1時間毎にspeedtest.netにて計測し、グラフ化してみた。なお、計測期間はしばらく前、2017/7/11(火曜)0時~2017/7/23(日曜)0時である。

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上のグラフの縦軸が下り速度(Mbps)、横軸は時間である。最大下り速度は250Mbpsあたりであるが、平日夜間や土日祝日(7/17も祝日)の日中など、露骨に速度が低下しているのが分かってもらえると思う。ただ、この速度低下している時間帯でもフレッツ速度測定(IPv6)では500Mbps前後を計測していたので、速度低下の要因はNGN側ではなく他にあると思われた。

速度低下について調査してみたところ、同様の状況はうちだけではなくフレッツ光の契約を行っているところではよく発生しているようであった。フレッツ隼はNTTのNGNを利用していて、自宅からはONU経由でNGNに接続し、NGNの先にあるISPと接続する形態になる。また、PPPoEでの接続を行う場合、NGNから網終端装置を経由してISPと接続している。現在は、通信量が増えると、この網終端装置の負荷が上昇しパンク状態になるようなのだ。2015年頃からフレッツ光コラボレーションが始まりフレッツ光の契約数が急増しているにもかかわらず網終端装置の増強が進まないため、通信量が増える平日夜間や土日祝日などで速度低下を引き起こしている様子。もしかすると、帯域制御を行って通信量自体を減らし、網終端装置の負荷を軽減していたりするのかもしれない。

現時点でこの速度低下を回避するには、フレッツ光自体の使用をあきらめて別のFTTH接続へ移行するか、あるいは、IPv6ネイティブ(IPoE)接続への移行を行うことになる。フレッツ光から別のFTTH接続へ移行するのは手間がかかりそうだったが、IPv6 IPoE接続だと対応するルータを用意すればさほど手間をかけずに移行できそうだったので、その方針で調査を開始。現時点ではIPv6 IPoE接続に対応しているISPはあまり多くなかったが、その中で、仕様を検討した上で数社に絞って自宅での運用状況に合わせて問い合わせを行ってみた。ここで「自宅での運用状況に合わせて」というのは、自宅サーバの運用に関する確認が必要だったからである。IPv6 IPoE接続を使用している場合でもIPv4な環境に接続するにはIPv4での接続が必要となる。IPv6 IPoE接続環境でのIPv4接続を実現するためにはトンネリング(IPv4 over IPv6)を用いるパターンがほとんどのようなのだが、接続方法によっては、同じIPv4アドレスを複数人で共有する(キャリアグレードNAT?)ものがあり、使用可能なポート範囲が限定されてしまうために自宅サーバの運用には向かない、という情報があったからである。

ISP数社に問い合わせを行った結果、だいたいは意図通りの返答があったが、その中で1社だけ、別の接続方法を提案された。他のISPはv6プラス接続であるが、そのISPはv6プラス「固定IPサービス」の提案を行ってきたのである。このv6プラス「固定IPサービス」は比較的最近(2017年7月から)になってJPNEが開始したサービスで、固定IPv4アドレスを専有できるため従来の固定IPと同じような運用が可能となる。自宅サーバの運用も問題なく可能に思えたので、改めて、詳細を確認。このサービスは一般家庭向けのルータでは対応できず業務用での運用に対応したルータが必要になる。対応ルータとしては、NTTのv6プラス対応ホームゲートウェイ・YAMAHA RTXシリーズ・NEC UNIVERGE IXシリーズ・古河電工 FILTELnet-Fシリーズあたりが指定されていて、そのうち、YAMAHA RTXシリーズのRTX1100 / RTX1200をしばらくの間は無償でレンタルしてもらえることが分かった。実際に運用できるかどうかは完全には判断できなかったが、ルータのレンタル期間の間はテスト期間と考えて、契約を行うことにした。なお、フレッツ隼で使うため、最大スループットが200Mbpsに留まるRTX1100では本来の速度が出ないと考え、最大スループットが1GbpsとなるRTX1200の方のレンタルを依頼。

契約申し込み後、しばらくしてからRTX1200も送付されてきた。RTX1200のコンフィグは既に設定済みとのことだったので、ONUとRTX1200を接続すれば、RTX1200に接続したPCからすぐにインターネット接続が確認できると考えていたのだが、どうしても接続を確認できず、ISP側に調査を依頼。どうやら、ISP側で行われたNTTへの接続申請から実際に接続するまで時間が経っていたことで、NTT側で接続申請が解除されてしまっていたらしい。改めて接続申請を行ってもらい、インターネットへ接続できることを確認。

しばらくの間テスト的に運用を行ってみて、特に問題は発生しなかったため、正式に運用を行うことにした。RTX1200をそのままレンタルで運用するという手もないわけではなかったけれど、レンタル料金が予想していたより高くて、1年ちょっとでレンタル料金の総額がYAMAHA製ルータの下位機種の新品価格を超えてしまうことが分かったので、自前でYAMAHA製ルータを購入することにした。業務として運用するわけではないため高機能な製品は不要だったので、YAMAHA製ルータの下位機種の中から選択することにし、迷ったあげく、少し前に発売開始されたRTX830を選択。なお、自宅では無線LANが必要だけれどRTX830は有線LANのみサポートなので、今まで使っていたWSR-2533DHPをルータモードからブリッジモードに切り替えてRTX830の自宅内LAN側に接続し、無線LANをカバーすることにした。

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IPv6へ切り替え直後、speedtest.netで計測。RTX1200使用。
タイムゾーン設定を忘れていたので表示がGMTのまま。
日本時間だと土曜の昼間。

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RTX830導入後。
speedtest.netが更新されたので見た目は変わっている。
速度が上がっているように見えるが、たまたまサーバ側の
負荷が低かっただけだと予想。

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テスト期間中、旧ISP側でIPv4接続で計測。
数値上では妙に速いが、体感速度は前とあまり変わらなかった。

上の画像を見てもらえると分かると思うけれど、今回のIPv6化に伴い。明らかに接続速度が上がった。上がったというよりは、本来の速度に近づいたという方が正確かもしれない。Webブラウジングや各種ダウンロードなど、明らかに快適になった。

ただ、気になる点がないわけでもない。接続経路の都合なのか、近畿圏への接続より首都圏への接続の方が高速になっている気配。また、旧ISPでのIPv4接続に一時的に戻した上で速度計測したところ、妙に高速な結果が出た。(上の画像3枚目)v6プラスに対応した影響で回線状況が変わったのか、もしくはたまたまなのかは分からないが、体感速度はさほど向上している気配がなかったので、IPv6での接続を継続することにした。もう一つ、現状ではIPv6でのトンネリングでIPv4接続を実現できているが、IPv6ネイティブでの接続はまだ確認できていない。IPv6テストサイトでの結果でNG判定を食らう状況である。これは、引き続き調査中。

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